【相続問題】無効な自筆証書遺言の事例
- 行政書士 服部祥明

- 1 日前
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自筆証書遺言については、形式上の無効事例や、民法上は有効であっても、不動産登記の実務上、使えない事例があります。
今回は、自筆証書遺言が無効になったり、修正が必要になる事例を紹介します。
自筆証書遺言が無効になる事例
(1)不動産の表記が不正確
土地と建物は、個別の財産です。
土地には地番が、建物には家屋番号が付されており、それぞれが独立した不動産なのですが、自宅の土地と建物が独立した物の権利であることを意識しないで遺言書を書いてしまう失敗を散見します。
たとえば、土地だけが遺言書に記載があり、建物について何も触れられていない場合は、土地に関しては相続手続きができても、建物については別途あらためて遺産分割協議を行わなければなりません。
(2)「託す」「管理せよ」と書いてある
「財産を託す」という表現については、気持ちの上で理解できるのですが、「相続させる」という意味合いで使用する言葉ではありません。また、「管理」という言語には、相続させるという意味は含まれていません。
これらの表現は、遺言書には用いないようにしてください。
(3)感謝や気持ちしか書かれていない
そもそも遺言書は財産の承継について書き残すものです。
自分の思いや気持ちを書く(付言事項という)ことも可能ですが、財産のことを書かなければ遺言書の意味がありません。
有効だが別途の対応が必要な事例
(1)住所で不動産を特定してある
遺言書において、不動産を特定する場合は、登記簿謄本に記載されている、地番(土地)と家屋番号(建物)で指定します。
登記簿謄本の表記が求められる理由は、不動産の正確な特定のためです。たとえば、元々同じ土地からの分譲地で、隣接する複数物件が同時に販売された物件は、住居表示が同じになる場合があります。
(2)相続分の割合指定がない
特定の不動産について、「甲と乙に相続させる」という、割合が書かれていない遺言書の場合は、甲と乙とで分割協議をする必要があります。
(3)相続ではなく「遺贈」と書いてしまった
通常であれば、法定相続人に相続させる場合は「相続」とし、法定相続人以外の人に財産を継承する場合は「遺贈」とします。
相続人に対して、「遺贈する」と書いてしまうと、第三者に不動産物件を与えた形になるため、相続人全員を登記義務者として、登記申請をしなければなりません。
その他の問題
(1)予備的条項のない遺言書
相続人が妻と甲、乙の2人の子どもの例で、妻と甲に財産を残す内容の遺言書があったとしましょう。なんらかの理由で、乙には遺産を遺したくない事情があったようです。
内容そのものには問題はありません。
しかし、妻もしくは甲が、遺言者より先に亡くなってしまうと、あらためて遺言書を作成し直すか、遺言者の没後、妻もしくは甲が乙を含めて、遺産分割をすることになります。
特定の推定相続人に財産を渡しなくない事情がある場合は、遺言者より先に予定受遺者が死亡した場合を想定して、予備的条項を記載しておく対策が有効です。
(2)不動産は私道を見落としがち
土地と建物以外に、前面道路の私道持分が存在していたことに気が付かないケースも散見します。
私道を抜けないと公道へ出ることができない土地の場合は、私道がなければ建物の再建築が認められず、相続した土地を売ることもできない状況になってしまいます。
この場合は、発見された私道部分に関して、他の相続人全員と遺産分割協議を行い、私道部分について相続手続きを行います。また、私道が被相続人と第三者の共有になっていると、さらに手続きが複雑になります。





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