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【相続問題】有効な遺言書であっても、その通りに相続分を決める必要はない

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

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遺言書は、故人の生前の意思が表現されたものですが、相続人が納得いかない内容が書かれていることもありえます。

遺言者の意思を尊重できればベストですが、遺言書通りに分け合うのではなく、相続人間で決めた内容で遺産分割をすることは可能なのでしょうか。

 

  遺言書と違う内容での遺産分割は可能

結論から言えば、遺言書と異なる内容で、遺産分割をおこなうことは可能です。そのためには、以下の条件が必要です。

(1)相続人全員が遺産分割協議で合意する

相続人および包括受遺者の全員が合意すれば、遺言書とは異なる内容により、遺産分割協議書を作成し、遺産分割を行うことができます。なお、遺言書が、自筆証書遺言でも公正証書遺言でも同じです。

しかし、ひとりでも合意に応じない者がいて、遺産分割協議が成立しなければ、遺言書が無効と認められない限り、遺言書どおりの相続をするしかありません。

(2)受遺者がいれば、その同意も必要

たとえば、遺言書の中で、法律上の相続人以外の人に対して、「財産を贈与する(遺贈)」とされていた場合は、相続人全員だけでなく、受贈者(遺贈を受ける人)の同意も必要です。

(3)遺言執行者がいれば、その同意も必要

遺言書で、遺言執行者が指定されている場合は、その同意も必要です。

遺言執行者として相続人の一人が指定されていたり、弁護士や行政書士、司法書士などの士業が指定されていることもあります。

親族以外の専門家が遺言執行者に指定されている場合は、同意を得ることは難しいかもしれません。

(4)罰則はない

遺言書を隠匿すれば、当然に相続人としての資格を失います。

また、遺言書を隠匿すれば、「私用文書等毀棄罪」となり、5年以下の懲役という重い刑罰が科されることになっています。

しかし、遺言書を無視して相続することは、相続欠格事由にも該当せず、私用文書等毀棄罪にもなりません。つまり、特段の罰則はありません。

 

  トラブル回避のための公正証書遺言

自筆証書遺言と異なり、公正証書遺言を無効とするのはかなり難しいです。

公正証書遺言は、公証人が本人の意思を面前で確認した上で作成しており、作成に際しては2名以上の証人が必ず立ち会っているので、無効なものは作られにくいとからです。

自分の没後のトラブルを回避するためには、ぜひ公正証書遺言を選択してください。

 
 
 

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