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【相続問題】特定の相続人に遺産を相続させない方法

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月22日
  • 読了時間: 3分

相続権を持つ家族から暴力や嫌がらせを受けていた場合や、著しい非行や浪費癖がある場合に、苦労して築いてきた自分の財産を渡したくないと思うのは当然の感情です。

特定の相続人に遺産を相続させないためには、遺言書作成、相続人の廃除、生前贈与、または相続欠落事由の確認という方法があります。

今回は、特定の相続人に相続させない方法について解説します。

 

  遺産相続の原則

相続人とは、被相続人(故人)が残した財産を引き継ぐ親族のことで、被相続人の配偶者、子ども、父母、兄弟姉妹などの血縁者のことです。

被相続人が亡くなると、法定相続分によって、あるいは相続人による遺産分割協議によって遺産分割が行われますが、被相続人の遺言によって、遺産分割の割合を指定することができます。

相続人には、遺留分のある相続人(父母、配偶者、子ども)と、遺留分のない相続人(兄弟姉妹など)があります。

遺言書が存在する場合、基本的に遺言書の内容が優先します。たとえば、遺言書に「配偶者に全財産を相続させる」と記されていれば、他の相続人がいても、かれらが遺留分のない相続人であれば、配偶者が全ての財産を相続することができます。その一方で、遺留分のある相続人がいれば、かれらの相続権を否定することはできません。

 

  特定の相続人に相続させない方法

(1)遺留分がない相続人の場合

相続人が遺留分のない相続人(兄弟姉妹など)の場合、「配偶者に全財産を相続させる」という内容の遺言を作成しておけば、何の問題もありません。

子どものいない夫婦で、すでに被相続人の配偶者が先に亡くなっている場合や、独身者であれば、たとえば、「慈善団体に遺贈する」旨の遺言を作成しておけば、折り合いの悪い兄弟姉妹に遺産を相続させずに済みます。

(2)遺留分がある相続人の場合

遺留分のある相続人(子)の場合、相続人の「廃除」を、家庭裁判所に申立てする方法があります。もっとも、廃除のハードルは非常に高く、その点については注意する必要があります。


  廃除について

(1)廃除の基準

相続廃除という家庭裁判所の手続きを踏めば、遺留分をもつ相続人(子ども)の相続権を剥奪することができます。相続廃除の申立てができるのは被相続人のみです。

家庭裁判所に廃除を認めてもらうためには、たとえば以下のようなケースが考えられます。なお、実際に、裁判所で廃除が認められるのは、全体の2割程度といわれていて、ハードルはかなり高いです。

●親に長年家庭内暴力を振るっていた
●多額の借金を親に肩代わりさせたり、親の預金を勝手に使い込んだ
●重大な犯罪行為を行い、家族や周囲に迷惑をかけた
(2)廃除の手続き方法

廃除の申し立ては、被相続人が存命中にする「生前廃除」のほか、死後に遺言執行者が申し立てるよう遺言を遺しておく「遺言廃除」も可能です。

①生前廃除

被相続人本人が家庭裁判所に申し立てをし、審判を受ける必要があります。家庭裁判所での審判を経て認められると、生前廃除は成立します。

②死因廃除

遺言廃除は、遺言書によって相続廃除したい意思と具体的な理由や根拠を残し、死後に遺言執行者に申し立ててもらう方法によります。

家庭裁判所での審判で認められれば、遺言執行者が被相続人の戸籍地の役場に廃除届を提出して、廃除は完了します。

遺言廃除の場合、廃除の申し立ては遺言執行者が行うため、被相続人はかならず遺言書を作成し、遺言執行者を指定しておく必要があります。

 
 
 

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