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【相続問題】相続が完了したあとに遺言書が出てきたらどうなるか

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 3 時間前
  • 読了時間: 4分


ご本人が亡くなって、日にちが経ってから、遺品整理をしてる最中に急に遺言書が見つかり、親戚一同びっくりしたという話をときどき耳にします。遺産分割が完了して、何年もあとになってから、遺言書が見つかることもあります。

今回は、遺産分割協議が終了し、遺産相続が完了したあとで、遺言書が出てきたときの対処法について解説します。

 

  遺言書についての考え方の基本

(1)遺言書に時効はない

遺言には時効がありません。遺言は故人の意思表示なので、何年経っても効力が消滅するものではありません。極端な話、死後30年経って遺言書が見つかったとしても、その遺言書は有効です。

遺産分割協議が終わっていても、遺言書が有効であれば、原則としては、遺言書の内容をもとに、遺産分割を再度やり直す必要があります。

(2)相続人全員の合意で遺産分割協議を有効にできる

遺産分割が遺言の内容と食い違っていれば、遺言に沿うように遺産を再分割するのが本来のあるべき姿です。とはいえ、それはあくまでも原則であって、相続人全員の合意があれば、遺言の内容に沿っていなくても、すでに完了した遺産分割を有効にすることができます。

一方で、相続人のうち一人でも合意しない人がいれば、遺言の内容を踏まえて、遺産分割協議をやり直さなくてはなりません。

 

  その遺言書の内容は有効か

遺言書を発見した場合は、その内容を確認する必要があります。

遺言書には公証役場で作成する公正証書遺言と、自宅で保管する自筆証書遺言があります。公正証書遺言は、法律上有効な遺言であることが明らかですが、自筆証書遺言の場合は形式の不備により無効となるケースもあるので、法律上有効な遺言であるかどうかを確認する必要があります。

もし形式不備がある遺言書であれば、その内容を実現する必要はありません。

なお、自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所で「検認」の手続きを経る必要があるので、検認前に勝手に開封してはいけません。

 

  遺産分割のやり直しをしなければいけないケースとは

相続人全員の合意があった場合でも、次のケースでは、遺産分割をやり直さなければなりません。

(1)遺言に遺言執行者が指定されている場合

遺言執行人の役目は遺言を実現させることです。

遺言書によって遺言執行者が指定され、就任した遺言執行者が遺言執行の中止を拒否している場合は、改めて遺産分割をおこなわなければなりません。ただし、相続人全員と遺言執行者で遺産分割協議の合意を得ることができれば、遺産分割をやり直さなくても構いません。

(2)遺言により非嫡出子の認知がされている場合

非嫡出子とは、婚姻関係を結んでいない人との間に生まれた子です。

認知をしていなければ、生物学上の親子であっても戸籍上は他人であり、相続権は有しませんが、遺言書によって認知をすると、子どもとして認められます。

認知された子どもには、遺産相続をする権利があるため、トラブルになる可能性が非常に高くなります。この場合は、法律事務所などの専門家に相談をした方がよいでしょう。

(3)遺言書により相続人の廃除がされている場合

廃除とは、遺言者が、自分に対する虐待や重大な侮辱があった相続人の相続権を剥奪することで、遺言書によって、意思表示をすることが認められています。

廃除された相続人が財産を相続している場合は、遺産分割をやり直す必要があります。

(4)遺言に法定相続人以外に遺贈することが示されていた場合

法定相続人以外に遺贈することが記されていた場合には、遺産分割をやり直す必要があります。

 

  遺産分割が難しいときは専門家に相談を

遺産分割が完了してかなりの時間が経過していたり、すでに財産が処分されているなど、分割協議のやり直しが難しい場合は、遺産の価値を金銭に換算して精算するなど、別の方法を検討する必要があります。

このようなケースでは、相続人や遺贈者だけの協議で話がまとまらないことも考えられるので、専門の士業に解決を依頼することをおすすめします。

 
 
 

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