【相続問題】遺言書を探す方法について
- 行政書士 服部祥明

- 2 時間前
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「親が亡くなったあと、年数が経ったあとで仏壇の中から遺言書を発見した」という話を聞いたことがあります。
この場合は、必ずしも遺言書の内容に従って遺産分割をやり直す必要はありません。被相続人(亡くなった人)の遺産は、相続人全員の協議によって、遺言書の内容と違う内容で分割しても問題ないのです。
もっとも、遺言書というのは被相続人の希望であり、可能であればその遺志を実現させてあげたいものです。今回は、相続人が遺言書を探す方法について解説していきたいと思います。
公正証書遺言と自筆証書遺言
遺言書の形式としては、おもに公正証書遺言と自筆証書遺言があります。遺言書を見つける方法はそれぞれ異なります。
(1)公正証書遺言を探す
公正証書遺言の有無については、公証役場に問い合わせをして探し出すことができます。公正証書遺言は、日本公証人連合会(全国の公証役場の本部)に、遺言検索システムによってデータベース化されて保存されています。したがって、全国どこの公証役場に問合せしても、公正証書遺言の有無はすぐにわかります。
(2)自筆証書遺言を探す
●遺品をチェックする
自筆証書遺言には検索システムはないので、心当たりのある場所を丹念に自分達で探すしかありません。タンスや仏壇、金庫などに残されていることが多いでしょう。まずはこれらの場所を重点的に探しましょう。
遺言書が封印されている場合は開けないようにしましょう。見つかった遺言書を有効にするためには、法務局で「検認」の手続きを経る必要があります。
●法務局の遺言書保管制度
被相続人が法務局の保管制度を利用している場合は、法務局に「遺言書保管事実証明書」を請求すると、相続人全員に遺言書が保管されているかどうかが通知されます。
もし複数の遺言書を発見したら
遺言書が複数出てきた場合は、作成した日付が最新のものが有効になります。遺言書の形式に優劣はありません。
たとえば、公正証書遺言と自筆証書遺言がある場合、日付の新しい方の遺言書が有効です。
遺言する側の注意点
(1)銀行の貸金庫に預けてはいけない
自筆証書遺言書を銀行の貸金庫に預けてはいけません。
契約者が死亡すると、銀行は貸金庫を封鎖してしまいます。亡くなった人の遺言書を貸金庫から取り出すために、相続人全員で協議し、合意する必要が生じます。
自筆証書遺言は、家族の誰かに預けるか、保管場所を家族に伝えておきましょう。
念の為にコピーして家族の誰かに預けておくことも考えられますが、遺言書のコピーは法的に有効ではありません。
(2)公正証書は正本と謄本を別々に保管する
公正証書遺言は、原本は公証役場で保管され、遺言者には「正本」と「謄本」の2部が渡されます。
そこで、公正証書遺言を保管する場合は、複数の家族が、正本と謄本を一部ずつ保管するか、家族が正本か謄本のいずれかを保管して、相続人が残りの一方を保管するといいでしょう。なお、公正証書遺言は、仮に正本と謄本の両方を紛失しても、公正証書遺言を作成した公証役場に請求すれば、謄本を再発行してくれます。
(3)遺言書の存在を家族に伝えておこう
遺言書が行方不明にならないための一番の対策は、遺言書の存在を家族に伝えておくことです。
内容までは明かしたくない場合でも、せめて遺言書を作成した事実や保管場所、死後に遺言の検索ができることを知らせておくとよいでしょう。





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