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【相続問題】相続が発生したときに戸籍調査が必要である理由

執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
行政書士 服部祥明
16 時間前
読了時間: 4分

相続が発生すると、遺産分割手続きに先立って、相続人が誰であるかを確定させる必要があります。

相続人を見落としたまま遺産分割を行うと、手続きが無効になるリスクがあります。相続人を確定させるためには、被相続人(亡くなった人)の出生から死亡までの戸籍を収集して、法定相続人を確認していくプロセスが必要です。戸籍収集や古い戸籍の解読には、専門知識も必要なので、想像以上に時間がかかるケースが少なくありません。

 

  誰が相続人になるのか

(1)法定相続人の範囲
誰が相続人になるかについては、ルールがあります。被相続人の家族全員が相続人になるわけではありません。民法では、次のように相続人の順位が定められていて、第1~3順位の相続人については、先行順位の人が相続人になれば、次の順位の人は相続人になりません。
●(常に相続人) 被相続人の配偶者
●(第1順位) 被相続人の子(養子も含む。子が死亡している場合は孫)
●(第2順位) 被相続人の父母(父母が死亡している場合は祖父母)
●(第3順位) 被相続人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が死亡している場合は甥姪)
(2)法定相続人にならない人

次の人は、故人とのつながりが深くても相続人になりません。

●孫(代襲相続で相続人になる場合や養子縁組している場合を除く)
●内縁の妻や夫
●離婚した元配偶者
●義理の息子や娘(娘の夫、息子の妻)
●再婚相手の連れ子(養子縁組している場合を除く)
●相続欠格、相続廃除で相続する資格を失った法定相続人
(3)残された家族も知らない事情もありうる

遺産相続で、最初に行う手続きは、相続人を確定させることです。遺産相続が全て終わってから相続人が漏れていることがわかると、遺産分割協議が無効になってしまいます。

実際に、被相続人の相続関係が次のようだったという事例があります。

●愛人との間に生まれた子を認知していた
●離婚した配偶者との間に子がいた
●家族が知らない養子がいた

また、これらの事例に加えて、死亡した相続人がいる場合は、代襲相続できる人を確定させる必要があるので、さらに死亡した相続人の戸籍も調べなければなりません。

 

  戸籍調査の方法

相続人調査は、被相続人の出生から死亡までの、連続した全ての戸籍謄本(全部事項証明書)を収集し、その内容を確認することによって行います。

(1)死亡時の戸籍謄本(除籍謄本)を取得する

最初に、被相続人が死亡した時点の戸籍謄本(除籍謄本)を取得します。被相続人の死亡の事実や、家族関係を確認するための出発点となる戸籍です。取得した戸籍によって、配偶者や子どもの有無、現在の本籍地などを確認します。

(2)被相続人の戸籍を出生までさかのぼる

ほとんどの場合、死亡時の戸籍はその人の戸籍の全てではありません。転籍や結婚などを機に戸籍が変わるからです。本籍地をたどって従前の戸籍を順次取得し、被相続人の出生までの連続した戸籍まで遡って取得します。

そこには結婚や配偶者との間に生まれた子どもの記録とともに、前婚の子や認知した婚外子などがいれば、そのことが戸籍に記載されています。

被相続人の子は法定相続人ですが、その子が亡くなっていれば孫(代襲相続)が相続人になります。そのほか、前婚の子や認知した婚外子も法定相続人に含まれ、さらに、代襲相続の可能性もあるので、注意が必要です。

兄弟相続の場合、被相続人が生涯未婚であれば、親の戸籍をたどることで、被相続人の出生から亡くなるまでの全戸籍を容易に取得できますが、結婚歴があると、親の戸籍から外れます。その場合は、親の出生から死亡の全戸籍を取得してから、被相続人の兄弟姉妹の戸籍を取得していく流れになります。さらに、異父母兄弟もしくは養子であれば、被相続人の親の戸籍だけではなく、実父母の戸籍まで求められます。

このように、ケースによって、複雑な調査が必要になります。

(3)相続人全員の現在の戸籍を取得する

戸籍調査の最終ステージとして、相続人全員の現在の戸籍を取得します。

(4)法定相続情報一覧図を作成する

相続関係を一目で整理してスムーズに手続きを行うために、被相続人と相続人の関係を図にしてまとめる作業を行います。これが法定相続一覧図です。この書面は、法務局が被相続人の相続関係のお墨付きをしてくれる資料です。

金融機関の手続きや不動産の所有者移転に関しては、被相続人に関わるすべての戸籍謄本の提出が求められます。しかし、戸籍謄本の束の代わりに法定相続一覧図を提示することにより、その先の相続手続きがスムーズに進みます。大変便利なので、相続が発生した際には、ぜひ作成をおすすめします。

 
 
 

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