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【相続問題】遺言執行者を相続人から選んだ場合の問題点

執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
行政書士 服部祥明
11 分前
読了時間: 4分

遺言書を作成する際に、遺言執行者を誰にお願いするかについて、迷うケースもあると思います。配偶者や子ども、兄弟など、信頼している親族を指定するケースもありますが、遺言執行者として指定された相続人とほかの相続人との間に軋轢が生じるかもしれないなどと、不安に感じることもあるでしょう。

そこで今回は、相続人を遺言執行者にする場合のデメリットや、トラブルを防ぐためのポイントを解説します。

 

  遺言執行者とはなにか

(1)遺言執行者の指定と選任

遺言執行者は、遺言の内容に従って、遺言者(故人)の意思を実現する役目を担います(遺言執行)。

多くの場合、遺言執行者は、遺言者が遺言書で指定します。遺言書に指定がないときは、利害関係者が家庭裁判所に申し立てをして、遺言執行者を選任してもらうことができます。

(2)具体的な任務

遺言執行の手続きには、財産の確認や整理、相続人への連絡、財産の引き渡しの手続き等があり、相応な時間と手間を要します。相続財産に不動産があれば、不動産全般や登記に関する専門的な知識を要します。

(3)遺言執行者になれない人

遺言執行者には、個人に限らず法人も指定することができます。遺言執行者と相続人が同一人物であっても、法的にはなにも問題ありません。ただし、未成年者と破産者は遺言執行者になれません。

 

  相続人が遺言執行者になる場合に生じるデメリット

相続人が遺言執行者になる場合に、以下のようなデメリットが生じることがあります。

(1)遺言執行者とほかの相続人の間でトラブルが起こるおそれがある

相続人の一人が遺言執行者になることで、ほかの相続人との間でトラブルが生じることがあります。とくに、遺言書に、遺言執行者自身が財産を受け取る内容が記載されている場合は注意が必要です。相続財産の内容や手続きの進展状況を、慎重に説明して進めていかないと、ほかの相続人から不信感をもたれるかもしれません。

(2)実務が不慣れで手続きがうまくいかない

遺言執行者に指定された相続人が、法律や相続実務に詳しいとは限りません。知識不足のために金融機関等との交渉が順調に進まず、手続きが想定以上に長引いてしまうことがあります。あるいは、不測の事態が発生し、思わぬ不利益を被るかもしれません。

 

  相続人を遺言執行者にするときの対策

上記のデメリットの対策のため、以下の対策を講じましょう。

(1)意思確認を確実におこなう

遺言執行者を選ぶ際には、遺言書を作成する前に、候補者に意思確認をしておくことが大切です。遺言執行者は、自分の利益を優先するのではなく、遺言書の内容に沿って誠実に手続きを進める必要があります。

遺言執行者が事前に役割を理解し、心の準備をしておくことで、相続開始後の混乱を防ぐことができます。

(2)公正証書遺言で指定する

自筆証書遺言でも遺言執行者を指定することは可能ですが、できれば公正証書遺言を選択しましょう。公証人が関与して作成する公正証書遺言は、法的な内容の不備を心配する必要がなく、遺言の内容も整理しやすいからです。

(3)遺言執行者に指定する人の年齢や健康面を考慮する

遺言執行者の指定においては、高齢の人や持病がある人は避けるべきです。場合によっては、遺言執行者が先に亡くなってしまうかもしれません。

また、金融機関や法務局とのやり取りは平日に行うことが多く、書類の取得や確認には時間がかかります。できれば、平日自由に活動できる人を指定できるといいでしょう。

 

  遺言執行者は専門家へ任せるのがおすすめ

結論からいうと、遺言執行者は、相続人の誰かを指定するのではなく、専門家に任せるのがおすすめです。弁護士や行政書士などの専門家は、必要書類の準備や、金融機関や法務局等とのやり取りに慣れているので、遺言執行を滞りなく進めることができます。また、特定の相続人に偏らない立場で手続きを進めることができるので、相続人同士の感情的な対立を避けることができます。

公正証書遺言の作成を依頼した専門家をそのまま遺言執行者に指定しておけば、遺言者の事情や財産内容を把握しているため、相続開始後の手続きも進めやすくなると思います。

 
 
 

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