【相続問題】相続人に未成年がいる場合の特別代理人の役割
- 行政書士 服部祥明

- 21 時間前
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相続が発生すると。相続人全員によって遺産分割協議を行うことになりますが、未成年の相続人は遺産分割協議に参加することができません。未成年者は、単独で法律行為ができないからです。
また、親権者と子どもが相続人である場合には、お互いの間で利益相反が生じるため、子どものために「特別代理人」を選任しなければならないことになっています。
特別代理人が必要である理由
冒頭で言及したとおり、未成年は自分で法律行為が行うことができません。未成年が法律行為を行う際には、法定代理人(親)の同意が必要になります。
遺産分割協議への参加も法律行為に含まれますが、親と子どもの利益が対立する状態(利益相反)となり、通常の法律行為とは事情が異なります。親子が利益相反する場合は、法定代理人である親の代わりに、子どもの利益を実現する立場となる特別代理人が遺産分割協議に参加して、手続きを行うことになるのです。
特別代理人に選ぶべき人とは
(1)利益相反について
たとえば、両親に未成年の子どもが2人いる家庭で、父が死亡したとします。
この場合、財産継承権は母と子ども2人になります。この場合、もし母が子どもの法定代理人として認められたとすると、母は子どもの意志に関係なく、自由に遺産を取得できてしまいます。
このような利益相反の状況を避けるために、2人の子どものために、それぞれ親権者以外の特別代理人を立てることになります。
(2)誰が特別代人にふさわしいか
誰を特別代理人に指定するかは自由ですが、下記のような最低限の条件があります。
①成人であること
②成年被後見人、被保佐人、破産者のいずれにも該当しない人
③遺産継承権がない人
特別代理人は、遺産継承権がなければ、親戚でも構いません。そのほか、遺産相続協議は公平でならないので、専門的な知識のある士業(弁護士、行政書士、司法書士など)などに任せるケースも多いです。
遺産分割協議の手続き
特別代理人は家庭裁判所に選任の申立てを行います。申立てから、審判が下りるまで、3~4週間くらいかかります。
審判が下りた後は、特別代理人が未成年者に代わって遺産分割協議に参加し、署名押印すれば遺産分割協議書は完成です。
特別代理人の法律問題
(1)特別代理人を選任しないで行った遺産分割協議はどうなるか
遺産分割協議は、無権代理行為(権利がない代理人が行った行為)となり、未成年の子が18歳になった後に、遺産分割協議の内容を認めないと無効になってしまいます。
無効になると、遺産分割協議をゼロからやり直さなければなりません。
(2)成人するのを待って遺産分割協議したら
未成年者が成人になれば、単独で遺産分割協議を行うことができます。
したがって、未成年者が18歳になるのを待ってから、遺産分割協議を行うことも考えられます。
しかし、相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日(被相続人の死亡を知ったとき)の翌日から10か月以内に行う必要があるので、相続税が発生する可能性がある場合は、この方法を取るのは得策ではありません。
(3)親が相続放棄をした場合
親が相続放棄をすれば、子どもと利益相反になりません。したがって、その場合は、親が子どもの法定代理人として遺産分割協議に加わることは問題ありません。
なお、相続放棄をするためには、被相続人が亡くなってから3か月以内に、家庭裁判所に申告する必要があるので注意しましょう。





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