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【相続問題】相続人調査によって明らかになるトラブル

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 16 時間前
  • 読了時間: 5分


遺産相続トラブルは金持ち家族の問題ではなく、どんな家にも起こりうる問題です。「自分の家ではあり得ない」と思っていても、起こってしまうのが遺産相続トラブルです。

トラブルが複雑化すると、遺産相続の手続きをスムーズに進めることが難しくなるだけでなく、家族関係が修復できなくなり、取り返しのつかない事態になることも考えられます。

遺産分割を実行するためには、被相続人(亡くなった人)がのこした遺言書の内容を実行する、あるいは、相続人全員による遺産分割協議で合意するという2つの道があります。

そこで今回は、遺産分割協議を実行するための条件である、相続人調査によって顕在化するトラブルについて解説します。

 

  相続手続きをするための基本的な手続き

相続人全員が揃って遺産分割について合意しないと、不動産の名義変更や預貯金の解約ができません。それだけでなく、相続税の申告期限(10か月)に間に合わず、延滞税が発生してしまうリスクがあります。

このような混乱を避けるために、被相続人の続柄をすべて洗い出す相続人調査(戸籍調査)が必須の作業になるのです。

 

  誰が相続人になるのか

法定相続人は、基本的に被相続人の配偶者や実子、兄弟姉妹です。それに加えて、たとえば被相続人に家族の誰も知らない婚姻歴があり、前妻との間に子どもがいるかもしれません。

前妻には相続権はありませんが、前妻との間の子ども(異母兄弟)は相続権を有します。母親に前夫があり、その間に子ども(異父兄弟)がいた場合も同様です。

その際には、異父母兄弟も含めた相続人全員で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成していきます。

 

  相続人調査の結果、こんなトラブル事例もある

相続人調査の結果、以下のような問題点が明確になるケースもあります。

(1)被相続人が養子縁組をしていた

被相続人が、家族も知らない間に養子縁組をしていて、遺産相続がはじまってから家族がその事実を知るケースもあります。

養子縁組をしている養子は、実子と同等の相続権を有するため、新たな相続人の出現がトラブルへと発展する場合もあるのです。

(2)認知症の相続人がいた

相続人調査の結果、見つかった高齢の相続人のひとりが認知症になっていたという事例もよく耳にします。相続人の中に認知症の人がいると、通常通りの相続は進められません。

認知症になって意思能力がない(不十分)と判断されると、遺産分割の合意などの法律行為を行うことができなくなるため家庭裁判所に成年後見の開始を申し立てましょう。家庭裁判所が選任した成年後見人は、本人に代わって遺産分割協議に参加することができます。

(3)寄与分を主張する相続人がいる

寄与分は、被相続人の財産維持や増加に貢献した相続人が、通常もらえる相続分に加えて受け取ることができる遺産です。生前に被相続人の介護をしていた相続人とほかの相続人の間で、寄与分を認めるかどうかのトラブルが起こるケースがあります。

(4)行方不明の相続人がいる

一部の相続人が長期間行方不明で連絡がつかない場合は、家庭裁判所に対して以下の申し立てをすることが可能です。

① 不在者財産管理人選任の申し立て

行方不明となっている相続人の財産を管理する人の選任を申し立てます。

不在者財産管理人は、家庭裁判所の許可を得ることができれば、遺産分割協議に参加することが認められています。

② 失踪宣告の申し立て

行方不明となっている相続人の生死が7年以上明らかでないときは、失踪宣告の申し立てが可能です。

家庭裁判所によって失踪が宣告されると、行方不明の相続人は死亡したものとみなされ、遺産分割協議を進めることができるようになります。

(5)話し合いに応じない相続人がいる

相続の話し合いに応じない相続人がいると、遺産分割協議が進まず、遺産の活用が遅れ、相続手続きが複雑化するおそれがあります。

とくに不動産については、売却や賃貸活用などをスムーズに行うことができずに、固定資産税の負担だけが続くといった事態も起こり得ます。

 

  相続トラブルになった場合の対処方法

(1)話し合いの重要性

感情的な話し合いで解決する問題は、ひとつもありません。決して感情的にならず、冷静に話し合いをすることを心がけましょう。

あらたに見つかった相続人に対して、相続が発生したことを伝える際の連絡手段は、手紙が良いとされています。突然、訪問したり、電話をかけたりすると、相手も不信感をいだき、警戒してしまううえ、良い感情も持たれないでしょう。「突然現れた相続人に遺産を渡したくない」という感情が生まれるのはもっともですが、理不尽な態度を取ったり、相手の立場をないがしろにする言動はトラブルの元です。

(2)話がこじれる前に専門家に相談するのも一考

話し合いでの解決が難しいときは、弁護士などの専門家に調停や審判の申し立てを依頼しましょう。

専門家に相談するタイミングは、早ければ早いほど効果的です。問題が深刻化する前に対応することによって、相続人全員が受ける負担を軽減し、スムーズな解決を図ることが期待できます。

 
 
 

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