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【相続問題】相続財産に不動産しかない場合の対応について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 28 分前
  • 読了時間: 5分

遺産分割協議は、共同相続人全員の話し合いによって、相続財産の分割方法を決定する手続きです。

不動産のほかに預貯金などの財産があれば、「長男は不動産を、二男は預貯金を」といったように分け合うことができますが、被相続人の財産がほとんど不動産しかない場合があります。一般家庭の場合、むしろそちらのほうが多いかもしれません。このような場合には、どのように遺産を分け合えばいいのでしょうか。

 

  自宅不動産を相続する際の3つの選択

相続人を長男、次男の2人と仮定して、自宅不動産を相続する方法を紹介します。

以下に紹介する3種類の方法については、それぞれメリットデメリットがあるので、個々の状況に応じて選択する必要があります。

(1)自宅不動産を共有にする

自宅を物理的に分割することはできませんが、持分として所有することは可能です。長男と次男の相続人が、法定相続分である、2分の1ずつの持分で登記することが可能です。あるいは、兄弟の協議により、お互いの持分を変えることもできます。

●共有不動産にすることのデメリット

不動産が共有になると、権利関係が複雑になります。自宅を売却、賃貸等する場合にも、共有者間で意思決定の調整を行う必要があります。

①売却や賃貸がスムーズにできない

共有財産を売却するためには、共有者全員の同意が必要です。また、賃貸する場合は、共有持分割合の過半数を有する共有者の同意が必要です。長男と次男の相続人が、2分の1ずつの持分であれば、兄弟双方の合意が必要です。このように、共有者間で意見が異なれば、売却や賃貸をスムーズに進めることができません。

②家の使用や運用についての不満

相続した家に兄が住んでいる場合、自宅に住んでいる兄に対して、弟が不公平感をもつかもしれません。

(2)代償分割(長男が自宅を相続して二男に金銭を支払う)

被相続人の意向で、自宅を兄に継いでほしいという思いがあるかもしれません。この場合に、長男が自宅を引き継ぐことの代わりに、長男が二男に応分の金銭を支払う方法があります。

●代償分割の方法のデメリット

代償分割の最大のデメリットは、自宅を承継する兄が、弟に対して支払う代償金を準備しなければならないことです。

しかし、不動産は高額の価値になるケースも多いため、代償金をすんなり支払える人は少ないと思われます。したがって、代償金を支払える目処が立たない場合は、後述する換価分割を検討します。

(3)換価分割(自宅不動産を売却して金銭を分割する)

実務上でもこの方法はよく使われています。売却すれば、今後固定資産税や維持にお金をかける必要がなくなるので、相続人の金銭面の心配がなくなります。

●換価分割のデメリット

換価分割を選択する際には、相続した自宅を手放すことになりますが、その前提として、以下の問題点があります。

①売却先を見つけられるかどうか

たとえば、不動産需要が乏しい地域であれば、売却先の選定に苦労するかもしれません。想定以上に時間がかかる場合もあり、好条件で売却できる相手が見つからなければ、想定よりも低い条件で売却せざるを得ないケースもあります。

②相続人の合意が得られるか

相続人の全員の合意がないと自宅を売却することはできません。なお、売却に先立って、一旦相続人に相続登記をする必要があります。

 

  遺産分割協議の進め方

被相続人の財産を分割する際には、相続人全員の合意により、遺産分割協議をおこないます。具体的には、以下の4段階で進めます。

(1)遺産の確定と評価

相続財産の全体像を把握し、価値を評価します。自宅不動産の価値については、複数の不動産会社に見積もりを依頼するといいでしょう。

(2)相続人の確定

相続人が誰であるかを確定します。戸籍謄本を取り寄せ、法定相続人を確認します。

(3)遺産分割協議書の作成

相続人全員が納得する分割方法が決まったら、その内容を遺産分割協議書に記載します。協議書は、相続手続きを進める際の重要な書類なので、行政書士や弁護士に依頼して作成することをお勧めします。

(4)遺産分割の実行

遺産分割協議書に基づいて、分割手続きを進めます。不動産の名義変更や、代償金の支払いなど、具体的な手続きを行います。

 

  遺産分割協議の注意点

(1)家の相続登記や名義変更をしないとどうなるか

不動産を相続した場合は、相続による所有権移転登記をおこないます。相続登記は義務化されているので、相続が発生してから3年以内に申請をしないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。また名義変更を怠ると、売却できない、不動産を担保にすることができない等の問題が生じます。

(2)遺産分割手続きは専門家に

遺産分割協議書は、かならずしも法律職(弁護士・行政書士・司法書士)が作成しなければならないものではなく、相続人自身が作成しても問題はありません。ネット検索をすれば、遺産相続に関する多種多様なテンプレートが見つかるので、それらを使って遺産分割協議書を作成することはできると思います。

しかし、遺産相続手続きは、誰一人として全く同じケースはないので、それぞれの家族の状況に応じた遺産分割協議書を構築する必要があります。法的知識がないまま、間違った内容で相続してしまうと、遺産分割か完了したあとで訂正することが困難になります。したがって、遺産分割協議書の作成に不安がある場合は、専門家に任せた方がいいと思います。

 
 
 

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