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【離婚問題】離婚後に公正証書で離婚協議書を作る

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 12 分前
  • 読了時間: 4分

協議離婚をする際には、慰謝料・財産分与・養育費といった事項を、当事者間の話し合いで決め、離婚協議書などの形で書面にします。

離婚協議書は私文書で作成することも可能ですが、公正証書で作成することも可能です。その際に重要なのが作成するタイミングです。

 

  離婚協議書を公正証書で作るべき理由

たとえば未払いの養育費については、私文書による離婚協議書があっても、裁判で勝訴したうえで確定判決をもらわないと強制執行ができません。裁判を提起して勝訴判決を得るためには、スムーズに事が運んでも3か月程度は必要なので、生活に影響する期間が長引いてしまいます。

一方で、「約束通りに養育費が支払われなかったときは、強制執行を認める」という趣旨の強制執行に服する旨の文言が付されている公正証書があれば、裁判等の手続きを起こさなくても強制執行が可能です。

このように、長期間継続的に養育費の支給を受ける場合や、慰謝料や財産分与を分割で受け取る協議が成立しているケースでは、支払いが止まった場合に差し押さえや強制執行ができるように公正証書に取り決めをしておくことで、安心感を得ることができます。


  離婚後に離婚協議書を公正証書で作成する方法

(1)離婚協議書を公正証書で作成するための条件

一般的には、離婚届を提出する前に公正証書を作成することが多いですが、双方の合意があれば、離婚後に作成することも可能です。また、一旦私文書で作成した離婚協議書を、あらためて公正証書の形で作り直すことも可能です。

ただし、公正証書を作成するためには、相手の同意を得たうえで、手続きに協力をしてもらう必要があります。いったん離婚してしまうと、相手と連絡が取れなくなったり、話し合いに応じてもらえなかったりするケースは少なくありません。したがって、本来であれば、離婚する前に公正証書を作成しておくのが望ましいのです。

(2)公正証書で取り決める内容について

私文書による離婚協議書でも、公正証書でも、取り決める内容は同じです。慰謝料・財産分与・養育費・年金分割などについて、当事者間で合意して定めて文書化します。

 

  公正証書を作成する際の多くのハードル

(1)コミュニケーションの難しさ

離婚後に公正証書を作成することは、次のような点から、離婚前に作成するよりもかなりハードルが高いといえるでしょう。

●離婚時のトラブルで関係が悪化し、離婚後にコミュニケーションが取れない

●新生活がスタートし、相手の状況に関心が薄くなっている

●離婚後に預貯金を使い込んで、財産が減ってしまった

●転居や電話番号を変えるなどしたために連絡先がわからない

(2)時効の問題

公正証書は離婚後であっても作成可能ですが、金銭の請求には時効があります。これも大きな課題です。具体的には以下の規定があります。

●慰謝料:離婚から3年

●財産分与:離婚から2年

(3)その他の問題

離婚から時間が経つほど、相手もあたらしい生活に慣れ、慰謝料などの支払いに後ろ向きになる傾向があります。したがって、時効やコミュニケーションとは別の意味でも、できるだけ早い解決を目指すべきです。

また、養育費については、離婚時に特段の取り決めをしていなければ、過去の分を取り立てることはかなり困難です。現実的には、請求をした時点からの養育費を請求することになります。

(4)相手方との妥協も必要

本来であれば、取引材料にするべきではありませんが、離婚後に公正証書を作成するために双方で協議する際に、元配偶者の希望を受け入れざるを得ない状況に陥りやすく、合意するために、ある程度の妥協も必要になるケースも多いでしょう。

 

  可能であれば離婚届を提出する前に公正証書を作成したい

公正証書を作成するためには、公証人との交渉や双方の意思確認が必要です。先に離婚届を提出して離婚が成立してしまうと、離婚成立後に相手方の協力が得られなくなり、せっかくの合意を公正証書に残せないまま終わってしまうケースもあります。

結論からいうと、公正証書による離婚協議書は、離婚届を提出する前に完成させることが、安全な進め方です。

 
 
 

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