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【離婚問題】熟年離婚の夫が離婚後に困ることとは

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1 日前
  • 読了時間: 6分

長年連れ添った夫婦が離婚する、いわゆる熟年離婚が増えています。

たとえば、「ずいぶん前から価値観の違いを感じていて、我慢が限界に達した」「子どもの独立によって離婚を決断した」などの理由がよく聞かれます。

今回は、熟年離婚を切り出された夫の「離婚の先の生活」について、考察していきたいと思います。

 

  妻から熟年離婚を切り出される夫の特徴

(1)妻の意見や行動を否定する

妻に対して常に上から目線で、妻の意見や行動を否定するモラハラ行為により、離婚に至るケースがあります。

自分は善意でアドバイスをしているつもりでも、尊厳を傷つけられたと感じた妻は、夫に対する信頼を完全に失ってしまいます。長年モラハラを受け続けた妻が、夫の定年を機に離婚を切り出すパターンはよくあります。
(2)家事や育児の協力をしない

毎日の家事や育児の負担は非常に重いものです。

仕事一筋で、家事や育児を妻に任せてきた夫に対して、妻から離婚を切り出されるケースが多いのです。

(3)感謝の言葉がない

妻が行う家事や育児に対して、日頃から感謝の言葉がないと、離婚に発展する可能性があります。

そもそも家事や育児は誰からも評価されません。夫から感謝や労いの言葉があれば、何とか続けられますが、「専業主婦だから家事は当然」という態度を取られると、妻の不満は募る一方です。

(4)妻に異常に依存する

仕事一筋で趣味がなかった夫が、定年退職後、毎日やることがなくなり、妻に執着する行動は、「濡れ落ち葉」ともいわれます。妻にとっては、夫に常に付きまとわれることや、行動を監視されることは、鬱陶しく感じられるのです。

(5)会話がない

熟年離婚に発展する夫婦は、コミュニケーションが不足しています。

夫が妻に対して無関心だと、妻も、一緒にいてつまらないと感じるようになり、やがて離婚に向けて行動するようになります。

(6)不倫やDVなど離婚原因がある

夫に不倫やDVなどの離婚原因があると、夫の定年退職や子どもの自立を機に、我慢する理由がなくなり、妻が離婚を切り出すパターンは非常に多く見られます。

たとえ過去の過ちであっても、妻はずっとその出来事を覚えており、離婚のタイミングを図っていることも珍しくありません。


  熟年離婚後の生活不安

熟年離婚のデメリットについては、金銭面のほか、加齢による健康面など不安は尽きません。熟年離婚をした場合には、以下のような心配があります。

(1)金銭面での不安

離婚によって、配偶者に財産分与や年金分割が行われます。

妻は、専業主婦であっても家事や育児で家庭に貢献していることから、離婚によって、原則として夫婦の財産の2分の1を取得する権利があります。また、年金分割では、夫が支払ってきた厚生年金保険料の支払い実績が、妻にも分配されます。

(2)家事の負担

妻に家事を任せきりで、ごはんの炊き方や洗濯機の回し方も分からないという夫もすくなくないでしょう。

離婚後は、食事や洗濯、掃除などの家事を、すべて自分でやらなければなりません。食事は外食やスーパーの惣菜に頼らざるを得ず、健康を害してしまうケースもあります。

(3)孤独や喪失感

当たり前の存在だと思っていた妻がいなくなると、孤独や喪失感に襲われます。

病気やケガをしても助けてくれる相手もいません。身近な話し相手がいなくなり、心身を病むケースも少なくありません。熟年離婚をした男性の寿命は、離婚していない男性に比べて10年短くなるとも言われています。

(4)子どもや孫に会えなくなる

離婚協議書に面会の条項が書かれていたとしても、子どもとの信頼関係を築けていないと、離婚後、子どもや孫が会ってくれないこともあります。

 

  生活不安を回避する方法

(1)離婚後の生活設計を具体的にイメージする

熟年離婚を迷う多くの方が抱えるのは、離婚後の生活に対する漠然とした不安です。

とくに、経済面や住居など、生活の基盤がどうなるかについては、具体的なイメージが湧きにくいため、決断をためらう大きな要因となりがちです。しかし、漠然とした不安は、具体的な情報と計画によって解消できます。離婚後の生活を具体的にイメージし、安心して新しい一歩を踏み出すための準備をすすめてください。

(2)準備と計画

熟年離婚後の生活を安定させるために、自分の資産状況を把握し、離婚後に必要となる費用を具体的に計算することから始めましょう。

そのためには、現実的な生活費のシミュレーションが不可欠です。収入には、給与所得、年金、財産分与で得た資金の運用益などがあります。収支がマイナスになるようであれば、支出の見直しや収入を増やす方法を検討します。数年先までの資金計画を立てることによって、長期的な見通しを持つことができるでしょう。

①ファイナンシャルプランナーの活用

離婚をスムーズに進め、その後の生活を安定させるためには、ファイナンシャルプランナー(FP)の活用を検討しましょう。

FPは、離婚後の生活設計や資金計画の専門家です。現在の資産状況や収入、支出を詳細に分析し、保険の見直しのほか、公的年金制度やNISAなどの資金運用の提案によって、離婚後の具体的な資金計画の手助けをしてくれます。

②再就職の可能性を探る

熟年離婚後の経済的自立を考える上で、仕事や再就職は重要な要素です。

長年のキャリアや経験は、熟年層の大きな強みです。仕事は人生を前向きに考えるための、精神的な充実にも繋がります。

(4)新しい人間関係の構築

熟年離婚後の人生を豊かにするためには、新しい人間関係の構築と、心の底から楽しめる趣味を見つけることが重要です。これらは、孤独感を解消し、生きがいを見つけるための大きな支えになります。

無理に多くの人と交流する必要はありません。自分が心地よいと感じるペースで、気の合う人との関係を育み、心から楽しめることを見つけることが、充実したセカンドライフへの第一歩です。

(5)心のケアとストレスマネジメント

たとえ前向きな決断であったとしても、離婚は、多大な精神的ストレスを伴います。

とくに熟年離婚の場合、長年の習慣や価値観の変化や経済的な不安が重なるため、心身にさらに大きな負担がかかることが考えられます。

ストレスを放置すると、不眠、食欲不振、抑うつ状態など、心身の不調につながる可能性があります。長年連れ添ったパートナーとの関係が終わることで、大きな喪失感や不安、孤独感に襲われます。離婚という決断自体に、迷いや罪悪感を抱く人も少なくありません。

このような精神的な負担を軽減し、心の整理をするためには、精神面のカウンセリングを活用することが有効です。

臨床心理士や公認心理師などの専門家は、心の健康を保ち、次の人生へと踏み出すための重要なサポートを提供してくれます。カウンセラーとの対話を通じて、前向きな思考への転換のきっかけを得られるとともに、離婚後の新しい生活への適応や、ストレスマネジメントの方法についてもアドバイスを受けることができます。

 
 
 

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