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【相続問題】認知症の相続人がいる場合の対策について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年12月16日
  • 読了時間: 3分


相続人の中に認知症の方がいる場合は、相続手続きにおける遺産分割協議が行えない可能性があります。

遺産分割協議を行うためには、相続人全員の「合意」が必要ですが、認知症で判断能力が欠如している状態では、同意することができません。

たとえば、具体的に、お父さんが亡くなり、相続人はお母さんと子どもという場合、お母さんが認知症の診断を受けているケースもあるでしょう。このような場合、相続手続きにどのような支障が起こりうるのでしょうか。

 

  認知症の相続人がいる場合の問題点

(1)認知症の相続人がいると遺産分割協議ができない

遺産分割協議は、相続人全員で合意する必要があります。そのときに、相続人のひとりが認知症により判断能力が低下していると、遺産分割協議に参加して、意思表示をすることができません。

遺産分割協議ができないと、被相続人の銀行口座の凍結解除ができず、不動産についても、賃貸も売却もできません。

(2)認知症の相続人は相続放棄できない

認知症となって判断能力が低下すると、法律行為ができなくなります。

したがって、認知症の相続人が相続放棄をすることもできません。本人以外の代理人が相続放棄の申し立てをしようとしても、家庭裁判所は受理しません。

 

  認知症の相続人がいる場合の解決策

(1)成年後見制度を利用するしかない

相続人に認知症の人がいる場合に、遺産分割協議をする方法が、ひとつだけあります。「成年後見制度」を利用することです。

成年後見制度は、認知症の相続人の代わりに、後見人が財産を管理や契約をする制度で、後見人は、本人の代理人として遺産分割協議に参加することができます。

後見人の選任の手続は1~3か月程度かかるので、早めに家庭裁判所に申立てをしましょう。

(2)法定相続分どおりに遺産分割する

遺産分割協議を行わない場合は、法定相続人による法定相続分での相続となります。

法定相続人が法定相続分にしたがって遺産を相続する場合は、遺産分割協議は不要であり、認知症の相続人の代理人を立てる必要はありません。

ただし、不動産の相続については、後々のトラブルが予見されます。

遺産の不動産を法定相続分どおりに相続すると、相続人の共有になります。その不動産を売却する際には、共有者全員の合意が必要になりますが、やはり、認知症の相続人の合意が得られないので、処分はできません。

(3)認知症でも遺産分割協議に参加できる可能性がある場合

認知症と診断されていても、すべての判断能力が失われているとは限りません。

医師の診断によって「遺産分割協議に必要な判断能力がある」と認められれば、自身の意思で協議に参加できる可能性も残されています。

 

  生前対策がベスト

相続人が認知症の場合は、成年後見人の選任が必要になるケースが多く、手続きが煩雑で費用もかかります。

これらのトラブル対策として、ベストの準備が遺言書です。

遺言書を作成して、遺産の分割方法を指定しておけば、かりに相続人に認知症の人がいても、遺言書の内容にしたがって遺産が分割されるため、遺産分割協議を行う必要がなくなります。ぜひ早めの準備をおすすめします。

なお、遺言書作成の際には、ぜひ信頼性の高い公正証書遺言を選択しましょう。

 
 
 

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