【相続問題】離婚した亡父の借金の催促があったらどうするか


両親が離婚しても、親が亡くなれば子どもは相続人です。幼少期に両親が離婚し、何十年も音信不通だったとしても、法律上の親子関係が消えることはありません。
財産だけでなく、親に借金があれば、それも相続することになります。「離婚したから関係が切れている」と思われるかもしれませんが、適切な手続きをしない限り、法的には借金が引き継がれます。そのまま放置するのは非常に危険です。
借金返済の請求がくるパターン
それでは、実際にどのような経緯で亡父の借金の催促がくるのでしょうか(離婚した父親の借金のケースを例にします)。
(1)親族やほかの相続人からの連絡
兄弟姉妹などの親族から連絡がくることが最も考えられるパターンです。父の再婚相手やその子どもなどから連絡があることも考えられます。
(2)役所からの連絡
離婚した父に身寄りがない場合は、市区町村役所が戸籍をたどって身寄り調査をし、家族に遺品や遺骨の引き取りを依頼するための連絡をしてくるケースがあります。
(3)警察からの連絡
事件や事故に巻き込まれた場合や、孤独死などの不審死の場合には、警察が調査をして、遺品の手がかりから家族に連絡がくることがあります。
(4)債権者からの連絡
貸金業者など、父がつくった借金の債権者からの連絡によって、初めて父親が亡くなったことを知ることもあります。亡父が第三者の借金の連帯保証人になっていると、その保証債務も相続の対象になります。債務者が返済できなくなると、保証人(亡父)の相続人である子どもにも、法定相続分に応じて借金を返済する義務が生じます。
離婚した父の遺産相続について
(1)両親が離婚しても子どもは父の法定相続人になる
両親が離婚すると、父母は互いの相続人ではなくなりますが、両親が子どもの親であることに変わりはなく、法律上、子どもは父の相続人であり続けます。子どもは、両親のプラスの財産だけではなく借金も相続し、借金を支払わなければなりません。親権者が父母のどちらであっても関係ありません。
両親が離婚すると、両親は別々の戸籍となります。子どもの戸籍は、どちらが親権を持つかに関わりなく、それまでの戸籍(おもに父)に残ったままです。たとえば母親が親権者となり、旧姓に戻る場合は、子どもを母親の戸籍に移すということがよくおこなわれますが、相続において影響はありません。
(2)代襲相続にも注意
代襲相続とは、被相続人よりも先に相続人となるべき人が死亡している場合に、相続人の子どもが代わりに相続人になることです。
たとえば、祖父(父側の父親)が借金を残して亡くなった場合、それより先に父が亡くなっていれば、子どもは代襲相続によって、祖父の財産を相続する権利が発生します。借金があれば、それも相続します。
離婚した亡父の借金から逃れるためには
(1)相続放棄という選択
亡父と関わりたくないからといって何もしないでいると、借金を相続することになってしまいます。その場合は、すぐに家庭裁判所で相続放棄の手続きをとりましょう。
相続放棄の手続きは、自分が相続人であると知ってから3か月以内という期限があります。たとえば、債権者からの連絡によって父の死亡を知った場合は、その連絡を受けてから3か月以内に相続放棄の手続きをとれば、借金の支払いを免れることができます。
(2)プラスの財産やどうしても相続したい財産がある場合
限定承認は、故人のプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続する方法です。プラスの財産の範囲内でのみ、借金を引き受けることができます。亡父の相続を検討するときに、プラスの財産とマイナスの財産がどれくらい残されているかわからない場合があります。あるいは、プラスの財産が多いときや、手放したくない住居が含まれているケースでは、限定承認を検討しましょう。
ただし、限定承認は手続きが煩雑な上、税金の負担が増える可能性がある点には注意してください。





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