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【遺産相続】複数の遺言書が見つかったらどちらが優先するのか

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 5 分前
  • 読了時間: 3分


もし、遺言書が複数見つかったら、どうすればいいのでしょうか。

おもな遺言書の形式には、自筆証書遺言と公正証書遺言があり、作成のための要件は異なります。公正証書遺言は、より効力の強い遺言形式ですが、自動的に自筆証書遺言に優先するということではありません。

それでは、遺言の優劣は何で決まるのでしょうか。

 

  遺言の優先順位とは

(1)公正証書遺言が常に優先するわけではない

公正証書で作成された遺言が、そのほかの形式の遺言書に優先すると勘違いされることがありますが、遺言の形式による優劣の関係はありません。

遺言の形式に関わらず、複数の遺言書が存在し、その内容が矛盾する場合には、後に作成された遺言が優先します。例外的に後に作成された遺言が無効になり、先に作成された遺言が効力を有するケースは、先の遺言を作成した時点で遺言を作成する能力を持っていた人が、その後に認知症等により遺言を作成する能力を失ってしまったような場合です。

(2)新しい日付の遺言の内容が優先される

複数の遺言が見つかった場合に問題となるのは、それぞれの遺言の内容が抵触する場合です。そこで民法では、遺言の内容が抵触する場合の優先順位を定めています。

古い遺言と新しい遺言が見つかったとき、内容が重なる場合には、新しい遺言によって古い遺言は取り消されたものとみなされます。

 

  遺言が一部修正されるケースとは

(1)遺言書の内容が矛盾しない場合

前の遺言が「自宅は長男に」、後の遺言が「株式は次男に」というように、内容が重ならない場合は、両方の遺言が有効です。内容が抵触しない部分と抵触する部分がある場合は、抵触しない部分については、前に作られた遺言書は有効です。

(2)遺言書の内容に矛盾がある場合

古い遺言と新しい遺言が同じ財産について異なる内容を記しているときは、その異なる部分について、後の遺言により前の遺言が撤回されたものとみなされます。

たとえば、「自宅を長男に相続させる」という遺言のあとに、「自宅を次男に相続させる」という遺言が出てきた場合は、矛盾する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされ、後の遺言が有効になるということです。

 

  複数の遺言を書いた理由とは

遺言においては、日付が非常に重要です。複数の遺言が見つかった場合は、基本的には一番新しい日付の遺言の内容が優先されるからです。一方で、あらたな遺言書によって従前の遺言の一部を訂正することも可能です。

詳しい知識がないなかで、複数の遺言書を書き残している可能性もありますが、遺言者が遺言書の仕組みを理解したうえで、遺言の一部修正のために、あらたに遺言書を作ることもあり得ます。

 

  トラブルを防ぐためのポイント

複数の遺言書が存在すると、相続人間で解釈が分かれ、争いに発展するリスクが生じます。遺言書を作成する際には以下の点を意識して、トラブルを避けましょう。

①新しい遺言書を作成する際には、「前の遺言を撤回する」旨を明記すること
②遺言書を公正証書で作成すること(公正証書遺言)
③定期的に内容を見直し、財産や家族関係の変化に応じて更新すること

遺言は、遺言書という文書の形でしか残すことができません。「2通目の遺言書にはあのように書いておいたけれど、本心はこれとは違う」というのは通用しません。

かならず正しい書式に則って書き残すことが「基本のキ」ですが、有効な遺言書にするためには、できれば公正証書で残しておくことをおすすめします。

 
 
 

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