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【遺言】おひとり様こそ遺言書が必要である理由

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 2025年12月9日
  • 読了時間: 4分


遺言書を残したいけれど、どうやって書けば良いかわからないという方、とくに、いわゆる「おひとり様」のなかには、「遺言書を書く必要はないのではないか」「亡くなった後の自分の財産はどのように扱われるのだろうか」と、不安や疑問をもたれる方も多いことでしょう。

遺言書の作成はハードルが高いし、「まだ早い」「自分には必要ない」などと思ってしまいがちです。しかし、独身であっても遺言書を作成することには多くのメリットがあり、自身の意思を確実に反映させるために非常に重要な役割を担っています。

そこで今回は、おひとり様の遺言書の必要性について詳しく解説します。

 

  「おひとり様」の財産はどこに行くのか

(1)基本的には法定相続人が相続する

おひとり様が亡くなったあとの財産は、相続権のある法定相続人(親、きょうだい、甥姪)に相続され、後述しますが、まったく身寄りのない方であれば、最終的には国庫に入る決まりになっています。

(2)最終的におひとり様の財産は国庫に

法定相続人もいない場合、特別縁故者がいれば、その人が財産を相続します。

特別縁故者とは、「被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者」と定められていますが、実際に相続をするには、家庭裁判所に相当の関係があると認められる必要があります。

特別縁故者がいない場合、最終的には財産は国庫に帰属することになります。

 

  おひとり様にとっての遺言書

おひとり様にとって、遺言書は、自分の財産を誰にどのように残したいか、その意思を確実に伝えるために重要な手段です。

たとえば、「疎遠になった親族ではなく、信頼している友人や、支援している団体に財産を残したい」と考えた場合、遺言書があれば、自分の意思を反映することが可能です。

(1)法定相続人以外に財産を譲ることが可能

遺言書があれば、友人など、法定相続人以外にも財産を譲ること(遺贈)ができます。

ただし、遺贈の際には、遺留分(法定相続人に最低限保証された相続割合)を侵害しないように注意しましょう。

遺留分の権利を持つ法定相続人がいる場合、侵害された遺留分を取り戻すために「遺留分侵害額請求」の訴えをされることが考えられるからです。

(2)寄付先の希望を書き残せる

遺言書には、特定の団体や慈善事業への寄付を盛り込むことができます。

動物保護団体や環境保護団体、医療機関や教育機関など、自分が支援したい団体への遺贈が可能です。

ただし、友人などへの遺贈と同様、法定相続人の遺留分を侵害する場合、遺留分侵害額請求を起こされることがあるので、注意しましょう。

 

  遺言書の重要な役割

(1)遺産争いを防ぐ

おひとり様に相続人がいる場合、相続人全員により、「遺産分割協議」が行われます。

遺産分割協議を成立させるためには、すべての相続人の合意が必要になりますが、兄弟姉妹や甥姪といった遠縁間の話し合いになると、意見の対立が起こりやすくなります。

このようケースでも、遺言書を作成しておけば、遺産の分配方法が明確になり、相続人同士の争いを防ぎやすくなります。

(2)自分の没後の手続きのため

おひとり様が亡くなると、葬儀や相続の手続きをする人がいないという問題が起こります。

相続財産に不動産がある場合、所有権移転登記手続きもされずに、誰も管理しない状態が続くと、荒れた状態が放置され、公共の迷惑にもなりかねません。

遺言書があれば、信頼できる人や身元保証団体などに財産を託せるため、管理や手続きが確実に行われます。

また、遺言書がなければ、相続人は故人が保有していた財産を一から洗い出さなければなりません。

おひとり様の場合、財産がどれくらいあるのか、周囲に知られていないことが多く、相続人が知らない財産が後から出てくることがあります。

ネットバンクの口座、外貨預金、電子マネー、仮想通貨などのデジタル資産は、誰にも気づかれずに放置されたままになってしまう可能性もあります。

 

  遺言書に詳しい専門家に依頼する

おひとり様が遺言書を作成する際は、自分だけで進めると複雑な法律問題に直面して、判断が難しくなることがあります。

したがって、遺言書の作成は、弁護士や行政書士、司法書士などの専門家に依頼することを検討しましょう。

遺言書に詳しい専門家であれば、「親族との関係が疎遠」「特定の団体に寄付したい」「身寄りがいない場合の遺産整理」など、おひとり様特有の事情を踏まえたうえで、最適なアドバイスを受けられます。

相続トラブルを回避し、希望通りの財産承継を実現できるでしょう。

 
 
 

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