【離婚問題】妻が熟年離婚を決断したときに準備しておくこと
- 行政書士 服部祥明

- 1月22日
- 読了時間: 4分

婚姻期間20年以上の夫婦の離婚、いわゆる「熟年離婚」が増えています。熟年離婚の割合は年々増加傾向にあって、離婚全体の20%を超えるといわれています。
そこで今回は、妻が熟年離婚を決断した際の注意点について解説します。
熟年離婚のきっかけ
妻が熟年離婚を決断する理由については、以下のようなものがあります。
(1)夫の定年退職
夫が定年退職を迎えると、とりたて趣味等がなければ、夫が家にいる時間が必然的に増えます。
今までいなかった夫が家にいることによって、今までは感じなかったストレスが生じ、妻はストレスから解放されたいと考えるようになります。
(2)子どもの独立
子どもの学校卒業や就業、別居、結婚などによって、母親としての役目を一旦終えたところで、妻が第二の人生を考えるきっかけになるケースがあります。
(3)夫の年金受給開始
夫が勤め人の場合、納めていた厚生年金(共済年金)の一部を、年金分割制度を利用して、離婚後に妻が受給できるようになります。
これにより、一定程度ではありますが、離婚後の妻の老後の収入が保障されます。
(4)親の介護
熟年夫妻の親も高齢化し、介護の問題がでてきます。
一般的に、夫の親の介護は嫁がするものという考え方が定着しており、妻が大変な苦労をして夫の親を介護しても、そのことに対して夫が感謝の気持ちすら示さないこともあります。義父母の介護をきっかけとする離婚は、「介護離婚」といわれています。
(5)更年期障害
女性が更年期を迎えると、心や体のバランスが大きく揺らぎ。ほんの些細なことにイライラしたり、理由もなく気分が沈んだりと、自分自身をコントロールできなくなることがあります。
夫からの理解が得られず、日々のすれ違いや怒り、疲労が積み重なると、生活の不満が高まり、ふと離婚が頭をよぎります。
熟年離婚の準備としてやっておくべきこと
(1)お金について
離婚するにあたって、最初に心配になるのがお金の問題でしょう。
とくに、結婚後、ずっと専業主婦をしていた場合は、離婚後、自力で生活費を用意しなければなりません。経済的な不安から、離婚を躊躇してしまう人もいるかもしれません。
したがって、まずは離婚後に生活していくための生活費の試算をしましょう。
また、婚姻を解消した際に、夫から受給する予定の「財産分与」の額についてもシミュレーションしておきましょう。
①夫婦間の財産の整理
●財産分与
夫婦が結婚してから築いた財産は、夫婦の共同財産とされ、離婚時に財産分与の対象になります。
お互いの収入に関わらず、共有財産を折半にするのが基本的な考え方ですが、通常は話し合いによって割合を決めていきます。
●年金分割
離婚時に、夫が納めていた年金について、妻が一定の割合で受給することが認められています。「合意分割」と「3号分割」という2つの方法があります。
合意分割制度では、婚姻期間に夫婦双方が支払った厚生年金(共済年金)の保険料の納付記録を合算したものを、2分の1以内の割合で妻に分けることになります。
3号分割制度の場合は、平成20年4月以降に夫婦の一方が納めた厚生年金保険料の納付記録のうち、2分の1を、妻が受給することが可能です。
②就職活動
離婚後、財産分与や年金分割だけで生活していける人は少ないと思います。
多くの場合は、安定した収入を得るために、就職する必要があるでしょう。月々の生活費を試算したうえで収支を把握し、支出に見合った就職先を探しましょう。
就職先の選択肢は決して広いとはいえないので、生活が変化したことをきっかけに、あたらしく資格やスキルを身につけるのもおすすめです。
(2)住まいについて
離婚する場合には、夫婦のどちらかが今の家から出て行く必要があります。妻が自宅から出ていくことになれば、新たな住まいを探す必要があります。
生活費の問題もあるので、実家に帰って新たな生活を送るのも一つの手ではあります。
(3)精神面について
熟年離婚をすると、孤独感を感じることが多くなります。将来の展望が見いだせず、落ち込むこともあるでしょう。
孤独感を感じないようにするためには、普段から友人や知人との関係を大切にし、それ以外にも、あらたな職場や趣味の集まりなど、さまざまなコミュニティで、多くの人と交流する機会を増やすように努力しましょう。





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