【離婚問題】離婚後に引っ越し先を元夫に知られたくない場合の対処法
- 行政書士 服部祥明

- 1月13日
- 読了時間: 4分

離婚すると夫婦の戸籍は別々になります。
夫婦は他人となるわけですが、たとえばDVなどが原因で離婚したときに、元配偶者に住所を知られたくないケースもあるでしょう。
そこで今回は、離婚した元配偶者に住所を知られたくない場合の対策について解説します(おもに元妻側から説明します)。
離婚したら戸籍はどうなる?
(1)離婚した夫婦の戸籍は別々になる
戸籍は一組の夫婦と、同じ氏の未婚の子を単位に作成されています。婚姻中の夫婦は同じ戸籍に入っていますが、離婚すると別々の戸籍にわかれることになります。
(2)元の戸籍に残るのは筆頭者
夫婦が離婚すると、双方の戸籍は別々になります。
結婚する際に選択した氏(苗字)を結婚前から称していた側(筆頭者。おもに夫)は、元の戸籍に残り、筆頭者でない側(おもに妻)は別の戸籍に移ります。
(3)筆頭者でない側(おもに妻)の戸籍はどうなるのか?
妻は、離婚によって別の戸籍へ移ることになります(「除籍」といいます)。
除籍される人は、結婚前に入っていた戸籍へ戻るか、あらたに戸籍を編製するか、そのいずれかを選択します。
結婚前に入っていた戸籍に、家族が一人でも残っていれば、その戸籍へ戻ることができます。結婚前に入っていた戸籍に戻らない(戻れない)場合は、あらたに戸籍を作成します。
(4)子どもの戸籍はどうなるのか?
父母が離婚すると、親権者が父母のどちらであるかに関わらず、子どもの戸籍はそのまま元の夫の戸籍に残ります。
なお、家庭裁判所に「子の氏の変更許可の審判申立」を行い、認められた場合は、役所に「入籍届」を提出して、子どもを、あらたに編纂した親権者(元妻)の戸籍に入れることができます。
戸籍の附票で元妻の転居先の住所は確認できる
戸籍謄本と戸籍の附票は、その戸籍に記載されている人(除籍と記載されている人を含む)、またはその配偶者のほか、直系尊属(親・祖父母等)や直系卑属(子・孫等)であれば、取得することができます。
戸籍の附票は、戸籍に記載されている人(同一世帯に入っている人)の住所を記録したもので、その戸籍に入っている期間の転居履歴や住所は全て記録されています。
したがって、元夫の現在の戸籍に、元妻が除籍者として記載されていれば、戸籍の附票で元妻が離婚して転居した先の住所を確認することが可能です。
引っ越し先を元夫に知られなくする方法
元夫に住所を知られないようにするための方法について、その手順を解説します。
(1)まず離婚届を提出する
住民票の住所を変更する前に、離婚届を提出します。
夫が筆頭者の戸籍から抜ける前に、妻が住民票の住所を変更すると、戸籍の附票に、引っ越し先の住所が記録されてしまうからです。要するに、(転居⇒除籍)の順番であれば、戸籍の附票に転居の情報が記載されますが、(除籍⇒転居)の順の手続きであれば、附票には転居の情報は記載されません。
(2)本籍地と転居先は違う住所にする
抜けたあとの戸籍の本籍地を、転居先と違う住所にします。
離婚後、復籍もしくは、あらたに戸籍を作成した場合には、婚姻時の戸籍に、あらたな本籍地が記載されます。後者の場合、あらたな本籍地を転居先の住所と同一すると、その本籍地を見ることで住所がわかってしまいます。あらたな本籍地の記録は、夫の戸籍に残るからです。
また、元の戸籍(家族の戸籍)に戻るときも、住所は本籍地とは別にします。
(3)閲覧制限をかける
①親には子どもの戸籍を請求する権利がある
子どもがいて、元妻と同じ戸籍に入っている場合には、戸籍の閲覧、交付制限の手続きをすることも忘れずに行っていきましょう。
戸籍の附票は、戸籍に記録されている者、その配偶者、直系尊属、直系卑属が請求することができるとされています。離婚したとはいえ、親は子どもの戸籍を請求することができます。したがって、元夫が子どもの戸籍取り寄せることによって、子どもと同じ戸籍にいる元妻の戸籍を請求することができることになるのです。
②閲覧制限の条件
しかし、次の場合には、元妻や子どもの住民票、戸籍の附票の閲覧を制限することができます。
●(元)配偶者の暴力
●(元)配偶者のストーカー行為
●児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者
●その他上記の行為に準ずる行為
これらの場合に当てはまる場合は、住民票や戸籍の附票の閲覧制限を請求することが可能です。
③子どもがいない場合でも有効
子どもがいない場合であっても、配偶者の暴力(DV)、ストーカー行為などがあり、元夫に住所が知られたくないという場合は、自身の戸籍や住民票の閲覧制限をかけておきましょう。





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