【離婚問題】離婚後の生活で困らないための事前対策の重要性について
- 行政書士 服部祥明

- 6 時間前
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離婚後の夫婦は、別居して生計が別々になり、それぞれの人生を歩むことになります。
しかし、さまざまな苦労を乗り越えて離婚が成立したあとも、事前に対策をしておかなかったために、大変な思いをしているという例が少なくありません。離婚においては事前の対策が重要です。
今回は、離婚の前に夫婦で事前に話し合うべきこと等について解説します。
離婚後の生活のための準備
(1)事前の準備で不安を緩和
離婚後に新生活を始めるためには、引っ越し費用や家賃、家財購入費など、まとまったお金が必要です。ある程度の蓄えがなければ精神的な余裕もなくなってしまうので、離婚を意識しはじめたときから、準備資金を貯めておくように心がけましょう。
子どもがいる場合は、児童扶養手当などのさまざまな公的扶助について、要件や手続きを役所で確認しておくことも重要です。
実家に戻るあてがあれば、生活費や子育てに関して、協力を依頼することも想定しておきましょう。
(2)離婚後の生活費を得るための収入源確保
仕事をしていない専業主婦の場合は、離婚後の生活拠点で仕事を見つけて収入を確保する必要があります。
幼い子どもの親権者となる場合は、保育園などの預け先も考えて、子育てをしながらどの程度の収入を確保できるのかを、事前にシミュレーションしてください。資格を取得してステップアップを目指したり、就職支援などの公的機関の利用も検討しましょう。
離婚後のお金の問題
離婚後の生活に困らないために、離婚の条件について話し合いを行います。一般的な離婚の条件として夫婦で話し合うべき項目は次のとおりです。
(1)財産分与
夫婦が婚姻中に協力して形成した財産は、離婚に伴って清算する必要があります。これを財産分与といいます。
通常の場合、寄与の割合は2分の1とされています。夫婦の共有財産(現金、預金、車、不動産、有価証券、生活のための借金など)が対象になりますが、かならずしも正確に2分の1にしなければならないわけではありません。
(2)慰謝料
離婚原因としてもっとも多い「性格の不一致」は、夫婦の一方に慰謝料は発生しません。しかし、不貞行為などが原因であれば、相手方に対して慰謝料を請求できます。
(3)年金分割
年金分割は、婚姻期間に対応する厚生年金の保険料納付記録を分割できる制度です。国民年金は対象外です。「合意分割」と「3号分割」の2種類がありますが、受け取る側(おもに妻)が、最大2分の1を受給することができます。
なお、年金分割の対象とならない公的年金や個人型確定型拠出年金などの私的年金については、財産分与の話し合いで分割を求めていくことが可能です。
(4)婚姻費用
婚姻費用とは、別居中の生活費として相手から受け取ることができるお金のことで、収入が高い方(おもに夫)が、収入が低い方(妻)の生活を維持するために支払います。
具体的な金額は、家庭裁判所作成の婚姻費用算定表に基づきます。夫婦の収入や、子どもの年齢や人数によって金額は変動するので、算定表を確認してみましょう。
子どもの問題
(1)親権について
親権とは、子どもが成人するまで養育する親の義務、権利のことです。法律上、親権者を定めずに離婚することはできないので、離婚時にいずれが親権をもつかを決めなければなりません(あるいは調停や裁判で決められます)。
(2)養育費
子どもを監護して育てる親は、他方の親に対して、養育費を請求することができます。
離婚時に、養育費の金額、支払時期、始期と終期についても話し合って合意します。金額の目安は、裁判所が公開している「養育費算定表」を参考にするとよいでしょう。
(3)シングルマザーへの補助制度など
シングルマザーを対象にした手当や減免制度があります。
たとえば、児童手当や児童扶養手当、ひとり親の医療費助成などがあります。そのほかにも以下のような制度がありますが、利用については条件があるので、詳しくは自治体に相談してください。
●住宅手当(家賃補助)
●所得税の寡婦控除
●国民年金の減免
●生活保護
●子ども預かり支援事業
●公営住宅への入居
(4)子どもとの面会について
両親が離婚しても、子どもとの親子関係に変わりはありません。双方の親と定期的に接触することは、子どもの健全な育成のために必要であると考えられています。
子どもとの面会については、親同士の話合いで、頻度や時間帯を合意しますが、話合いがまとまらない場合は、面会交流について調停を申し立てて、調停の場で決着する道もあります。
離婚協議書を公正証書での作成をおすすめする理由
離婚条件を夫婦で話し合い、書面にしたものが離婚協議書です。万が一、約束が守られなくても、私文書に過ぎない離婚協議書には、相手に履行を強制する力はありません。
しかし、離婚協議書を公正証書で作成すれば、安全性を格段に高めることができます。公正証書に強制執行承諾文言を付ければ、慰謝料や教育費の支払いが滞った場合は、強制執行によって相手の財産(給料なども)を差し押さえることが可能です。
これが、離婚協議書を公正証書として作成することを推奨する理由です。





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