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【離婚問題】離婚後の親権者の決め方について

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 1月19日
  • 読了時間: 4分


親権とは、未成年である子どもの保護と教育のために、親に与えられた権利と義務の総称で、子どもの身の回りの世話や教育を行う「身上監護権」と、子どもの財産を管理する「財産管理権」が含まれます。

婚姻中の夫婦は、子どもの共同親権者ですが、離婚後はどちらか一方を親権者に指定する必要があります。2024年5月の法改正によって、近いうちに離婚後も「共同親権」を選択できるようになりますが、現状(2026年1月現在)は、単独親権しか認められていません。

そこで今回は、離婚によって単独親権となるプロセスについて解説します。

 

  親権の意味について

親権は親権者が未成年の子供に対して持つ権利義務の総称です。「身上監護権」と「財産管理権」という大きく2つの要素で構成されています。

(1)身上監護権(子どもと生活して育てる権利義務)

身上監護権は、子どもと一緒に暮らして身の回りの世話をする権限です。民法では、以下の権利義務が定められています。

●監護権…子どもを世話し教育する権利及び義務

●居所指定権…子どもの住む場所を決める権限

●職業許可権…子どもが職業を営むことを許可する権限

(2)財産管理権(財産を管理する権利)

財産管理権は、子ども名義の財産を適切に管理する権利及び義務です。

(3)監護権親権と身上監護権は分けることも可能

「監護権」は親身上監護権権の一部にあたり、子どもの日常生活や身の回りの世話をする権利義務を指します。

一般的に、親権者と監護権者は、一致していた方が子どもにとって良いと考えられています。しかし、親権者が子どもを監護できない場合や、親権者でない人が監護権者としてふさわしい場合など、事情によっては親権者と監護権者が別々になることもあります。

 

  親権は何歳までか

親権は子どもが未成年の間のみ存続し、成年に達したときに消滅します。

成年に達した子どもは、親の同意を得ずに、単独で有効に契約などの法律行為を行えるようになり、親による取り消しができなくなります。住む場所や仕事についても、本人の意思で自由に選択できるようになります。

成年年齢は、2018年の改正民法により、20歳から18歳へ引き下げられました。

なお、改正法施行の際に18歳~19歳だった人は、改正法施行日である2022年4月1日に成年に達し、その時点で親権が消滅しています。

注意点としては、18歳の誕生日にさかのぼって、成年だったことを認めるわけではないということです。たとえば2022年3月に19歳であり、そのときに単独で行った契約を親権者が取り消した場合については、改正法施行後も、取り消しは有効です。

 

  誰が親権者になるか

子どもが未成年者の場合、離婚後の親権者を夫婦のどちらにするかを、合意または判決で決めなければ離婚できません(単独親権)。

(1)監護の継続性(現実に子どもを育てている者を優先する)

実際には、ほぼこの基準で決まります。別居してから裁判で判決がでるまでには1~2年の時間がかかることがあり、その間継続して子どもを育てていて大きな問題がなければ、現実に子どもを育てている方が優先して指定されます。

(2)母親優先(乳幼児について母の監護を優先させる)

判断が微妙な事案の場合には、母親が優先します。とくに小さい子どもは、当てはまるケースが多いです。

(3)子どもの意思の尊重(15歳以上の未成年の子について)

子どもがおおむね15歳以上の場合は、子ども自身の意思が尊重されます。

(4)そのほかの事情を勘案する

このほかにも、以下のような個別の事情を考慮して決められる場合があります。

・親権者の子どもに対する愛情の深さ

・経済力(安定した収入の有無)

・親権者の代わりに面倒を見てくれる人の存在

・監護能力(親の年齢や心身の健康状態など)

・住宅事情や学校関係などの生活環境

・子どもの年齢や性別、発育状況

・兄弟姉妹が分かれることにならないか

 

  親権を決めるプロセス

(1)まずは離婚協議で話し合いが行われる

親権について、まずは夫婦で話し合いをし、合意を試みます。合意できれば、すぐにでも離婚を成立させることができます。

なお、財産分与など、離婚後に取り決め可能な事項もありますが、親権は離婚時までに必ず決定する必要があります。離婚届には親権者を記入する欄があり、空欄だと受理されません。

(2)話し合いがまとまらない場合は調停・裁判

夫婦間で解決することが難しい場合、裁判所に「調停」を申し立てます。

調停では、調停委員が当事者の意見を聞きながら話し合いを進め、妥当な調停案を提示してくれます。

ただし、調停でも当事者が合意できなければ、「調停不成立」となります。不成立になった場合は、裁判を申し立て、裁判所に親権の判断を委ねることになります。

当然ですが、調停や裁判にすすむ前段階で、親権者の指名とともに、離婚条件を盛り込んだ離婚協議書を、できれば公正証書で作成しておくのがベストでしょう。

 
 
 

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