【離婚問題】離婚後の財産分与の問題点について


財産分与とは、婚姻期間中に築いた共有財産を離婚の際に分割することです。
夫婦のどちらの収入を原資にしたか、どちらの名義で取得したかに関わらず、夫婦が結婚生活の中で取得した財産(共有財産)は、離婚時には、基本的に2分の1の割合で分け合うこととされています。
通常は、離婚の際に財産分与を決めるのですが、離婚後に双方の協議により決めるかことも可能です。そこで今回は、離婚後の財産分与についての注意点について解説します。
財産分与の基本的な考え方
共働き夫婦か、妻が専業主婦かを問わず、財産を構築したことに関する寄与は、原則、夫婦対等と評価されます。離婚時の財産分与についても、基本的に2分の1ずつとされています。
ただし、夫婦の資産は単純に半分に割ることが難しいケースも多いでしょう。たとえば、自宅は夫が所有し、妻は銀行預金と有価証券を得るなど、実際には夫婦間の話し合いによる合意によって、分割方法を決めていくことになります。
財産分与の対象になる資産とは
(1)財産分与の対象になる共有財産
財産分与の対象になるのは、婚姻後の夫婦の協力によって価値が維持された財産(共有財産)です。具体的には、家や土地などの不動産、家具や家財、車などの動産のほか、貯金、年金、退職金や生命保険や損害保険が含まれます。
(2)財産分与の対象にならない特有財産
結婚前から所有している財産や、親族からの相続や贈与で貰った財産は対象外です。これらの資産を「特有財産」といいます。ただし、特有財産に該当する財産であっても、配偶者による協力や貢献が認められる場合は、財産分与の対象になる可能性もあります。
財産分与に請求期限はあるか
多くの場合は、離婚と共に財産分与を実行するケースが多いですが、財産分与の取り決めをしないまま、先に離婚を成立させて、その後に財産分与をおこなうことも可能です。ただし、財産分与には、請求できる期限があります。
夫婦間で財産分与を解決できない場合は、家庭裁判所に調停や審判を請求して解決する方法があるのですが、離婚から5年が経過すると、裁判所への請求はできなくなります。
期限が経過していても、相手方が応じれば、協議による財産分与は可能ですが、かならずしも話し合いがうまくいくとは限りません。したがって、調停を申し立てることができる5年以内に、財産分与の請求をするべきなのです。
離婚後の財産分与における独自の問題
離婚後の財産分与には、以下のようなリスクがあります。
(1)配偶者が協議に応じてくれない
離婚後に相手の行方がわからなくなったり、協議から逃げたまま、何年も経過してしまうことも考えられます。基本的に、財産分与を拒否することはできませんが、手続きが煩雑になり、財産分与が遅れてしまうことも考えられます。相手の所在調査のほか、当事者間で問題が解決できなければ、弁護士に解決を依頼することになり、それらのコストも考慮しなければなりません。
(2)財産調査が難しい
離婚後に財産分与をおこなうためには、対象となる財産の洗い出しが必要です。婚姻期間中は元配偶者が家計を管理していたため、資料が手元になく、財産の把握ができないケースは珍しくありません。
(3)配偶者による財産処分や環境の変化の可能性
離婚時にはかなりの財産が残っていても、離婚後に配偶者が散財したり資産を処分してしまって、離婚時に受け取れるはずの財産を隠匿されたり目減りしてしまうことも考えられます。そのほか、悪意はなくても、たとえば病気などの事情によって働くことができなくなれば、生活が困窮して財産分与する余裕はなくなるでしょう。
財産分与は公正証書で
ここまで解説した事情により、財産分与の取り決めは、可能であれば、離婚後ではなく、離婚するタイミングで財産分与を実行するべきという結論になります。
離婚時の財産分与は、慰謝料や養育費、年金分割などの条件とあわせて文書(離婚給付契約書)で取り交わしましょう。とくに、強制執行を可能とする公正証書で作成することを強くおすすめします。





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