【墓じまい】仏壇の処分はどうしたらいいの?
- 行政書士 服部祥明

- 2025年11月21日
- 読了時間: 5分

親が亡くなり、田舎の空き家に仏壇が残っている。そんな場面で、仏壇の処分に悩んでいる方は多いでしょう。あるいは自分の「終活」の手続きの一部分として、仏壇の処分方法を考えるケースもあるでしょう。
仏壇の処分には、宗教的な手順や費用の問題が伴い、家族間で意見がわかれるケースもあります。
そこで今回は、仏壇処分の流れや費用相場、トラブルを防ぐための注意点を、わかりやすく解説します。
仏壇の処分のタイミング
(1)両親が亡くなった時
これまで仏壇を守ってきた両親が亡くなり、いよいよ自分があとを受け継がなければならなくなったものの、実家の仏壇が大きすぎて、わが家に仏壇が納まらない。このようなケースで、仏壇の処分と、あたらしいコンパクトな仏壇への買い替えを検討します。
(2)実家を売却、解体する時
実家を売却あるいは解体する時には、必然的にいまある仏壇を処分しなければなりません。
(3)跡継ぎがなく、将来に不安を感じた時
おひとり様や子どものいない世帯は、次世代に先祖の仏壇を引き継ぐことができません。
終活の一環として、自身が元気なうちにと、仏壇の処分を検討し始めるタイミングです。
仏壇の処分をする前にすべきこと
仏壇には、仏さまやご先祖が祀られています。目に見えない「霊魂」の尊厳を保つためには、仏壇をただ解体処分すればいいというものではありません。
(1)閉眼供養(魂抜き)
●閉眼供養(魂抜き)の目的
仏壇を処分する際には、僧侶を招いて「閉眼供養(魂抜き)」を行います。
これまで家族を守ってきた仏さまやご先祖に対して、役目を終えたことへの感謝の儀式です。
この儀式を経ずに仏壇を処分することは「罰(バチ)当たり」につながると見なされ、実際に多くの業者は、閉眼供養をしていない仏壇の引き取りを拒否しています。
●閉眼供養(魂抜き)の費用
閉眼供養の費用(お布施)は納める側の「気持ち」なので、定額はありませんが、相場は1万円~5万円です。
●閉眼供養(魂抜き)をしないとどうなる?
閉眼供養をするかどうかの判断は家族に委ねられますが、あとからネガティブなことが起きた時に、「魂抜きをしなかったからかも」と後悔することがないよう、閉眼供養をしておくことをおすすめします。
(2)仏壇供養(お焚き上げ)
お焚き上げとは、神仏をはじめ、故人やご先祖様に関わる大切な品々に感謝の気持ちを込めて供養、焼却処分する、伝統的な儀式です。
仏壇や位牌、仏具などに宿る魂を、閉眼供養(魂抜き)した上で処分します。位牌や故人の遺影写真や遺品を処分する際も、お焚き上げで供養するのが一般的です。
仏壇処分の方法と費用
(1)菩提寺が引き取る
菩提寺が閉眼供養をされる場合は、お寺が仏壇を持ち帰ってくれることがあります。
費用(お布施)はお寺によってかなり違いがありますが、3万円〜10万円が相場とされています。
(2)仏壇店に依頼する
最も多い処分方法が、仏壇店への依頼です。
なによりも仏壇仏具のプロなので、扱いもスムーズで、安心して任せられます。仏壇以外にも、仏壇の周辺で使う仏具も引き取ってもらえます。
仏壇店は、お寺ともつながりを持っているため、閉眼供養をお願いするお寺が見つからない場合は、僧侶の派遣や紹介も手がけてくれます。
費用相場は、仏壇の大きさや仏具の量によって変動しますが、出張費、処分費用などを含めて2万円~10万円程度です。
(3)リサイクル業者や不用品回収業者に委託する
リサイクル業者や不用品回収業者のほか、仏壇の引き取り処分を専門とする業者に仏壇の処分を委託する選択もあります。
仏壇本体については、リサイクル品としての需要は期待できませんが、高級仏壇に用いられている希少な木材(黒檀や紫檀など)や、金箔の再利用を目的として引き取る業者は少なくないようです。
回収費用は業者や不用品の量によって大きく異なりますが、3万円〜10万円ほどと考えておきましょう。
(4)遺品整理業者に回収・買取してもらう
遺品整理業者であれば、仏壇の供養から処分、遺品の整理や買取まで、トータルで行ってもらうことができます。
費用は部屋の間取りによって異なります。たとえば1ルームの部屋全体の回収で3万円~8万円ほどが相場です。
(5)粗大ゴミや燃えるゴミに出す
閉眼供養を行っていれば、その仏壇はただの木の箱に戻ります。そのうえで、自治体が行う回収サービスを利用し、粗大ゴミとして処分することも可能です。
費用は自治体や仏壇の大きさによって異なりますが、500円~数千円程度で済みます。
ただし、自宅からゴミ回収場所まで運び出す手間や、別途、閉眼供養の手配をするなどの手続きが発生することに注意が必要です。
解体してしまえば、燃えるごみとして無料で処分することもできます。ただし、仏壇の解体作業が面倒であり、燃えるごみとして処分することに心理的抵抗を感じる人も多いのではないでしょうか。
仏壇を処分する際の注意点
(1)菩提寺に処分の理由を話しておく
菩提寺がある場合、仏壇の処分の理由や事情について事前に話しておきましょう。
これまで継続的に先祖の供養をしてきたお寺から、よきアドバイスをもらえるかもしれません。
また、仏壇の処分がそのまま離檀(檀家関係の解消)につながるケースもあります。その場合、何も伝えずに仏壇を処分して、離檀トラブルに発展した事例も多く報告されています。
(2)仏壇は相続財産になるか
仏壇はお墓と同様、相続財産ではなく、「祭祀財産」に該当します。
祭祀財産は相続税の対象にもなりません。また、相続放棄をした場合でも、祭祀財産を承継できます。
仏壇の処分は「罰当たり」ではない
仏壇処分は決して罰当たりの行為ではありません。
これまでご先祖が守ってきた仏壇を自身の手で処分するわけですから、不安を感じることもあるかと思いますが、自分ひとりで抱え込むことなく、僧侶や業者など、専門家の力を借りることをおすすめします。
負い目を感じてしまう心の不安を引き受けて、浄化してくれるのが僧侶の役割です。そして、安心できる業者に引き取ってもらうことで、先祖への義理を果たしたと割り切ることによって、仏壇の処分に関する心の迷いや違和感は解消されることでしょう。





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