【家族信託】家族信託でネックになる信託口口座
- 行政書士 服部祥明

- 2025年9月26日
- 読了時間: 3分
更新日:2025年11月21日

家族信託は民事信託契約の一種で、財産の所有者である親が、老後の生活や財産管理を、信頼できる家族に任せる(信託する)仕組みです。
昨今、認知症は社会問題化しています。たとえば不動産を所有している親が認知症になってしまうと、不動産の売却はできなくなります。このようなリスクへの効果的な対策として、家族信託は一般の方にも徐々に浸透しています。
家族信託の財産を管理するために
注目の家族信託ですが、いくつか課題もあります、そのひとつが、信託財産を管理する専用口座の扱いです。
信託財産に金銭がある場合、将来的に委託者(親)の名義の口座のままでは管理できなくなる可能性があるため、受託者(親族や子ども)が管理をするための銀行口座が必要となります。
家族信託専用口座の開設は義務ではないが必要
家族信託でポイントとなるのが、信託財産の金銭をどのような方法で管理するかという点です。
実は法律上、受託者が管理する家族信託専用の口座開設は義務ではありません。しかし、信託契約の受託者には「分別管理義務」というものがあり、自分の財産と信託財産を分けて管理する必要があります。したがって、家族信託専用の銀行口座を開設して委託者の金銭を管理していくことになります。
信託財産を管理する2つの選択
1.信託口口座
信託口口座(しんたくぐちこうざ)とは、信託法に基づき、受託者が委託者から信託された金銭を管理するための専用口座です。
受託者の口座ではないので、受託者が差押えや強制執行された場合は対象外となるなど、安全性が高いのが特徴です。一方で、以下のようなデメリットもあります。
・口座開設のための金額の下限が設けられているなど、ハードルが高い
・ネットバンキングが使用できないことが多い
2.信託専用口座
信託口口座とは別の選択として、受託者の名義で普通口座を開設する選択もあります。これを「信託専用口座」といいます。
信託専用口座を利用するメリットとして、口座開設の自由度や、通常の普通口座と同じサービスを受けることが可能という点が挙げられます。
一方で、信託専用口座にはデメリットもあります。たとえば、委託者(親)より前に受託者(親族)が死亡した場合、信託専用口座の財産は、委託者ではなく受託者の財産とされてしまうのです。その点をリスクととらえるのであれば、信託専用口座は選択肢しづらいと思います。
信託口口座を開設できる銀行
最後に、信託口口座を開設できる金融機関をいくつかご紹介します。最近は地方銀行や信用金庫など、少しずつ取扱い銀行は増えていますが、まだまだ限定的です。代表的な金融機関は大手信託銀行やノンバンク系の銀行です。
以下は代表的な取扱い銀行です。
三井住友信託銀行
三菱UFJ信託銀行
みずほ信託銀行
オリックス銀行
口座開設基準や利用上の条件等については、各銀行により随時変更される場合がありますので、必ず利用予定の金融機関の支店に直接確認してください。口座開設の条件として、信託財産に下限があったり、信託契約がセットになっているケースもあります。
家族信託は公正証書で
家族信託は公正証書で締結するのが基本です。信託口口座を開設する際にも、公正証書による契約書が条件になっている場合があります。公正証書を作成する際には、専門家のサポートを受けるようにしてください。
信託財産を管理する口座については、ご家族の状況にあわせて、信託口口座、神託専用口座のいずれを選ぶか、専門家のアドバイスを受けながら慎重に検討してください。





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