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【相続問題】未成年者がいる場合の遺産分割協議の注意点

  • 執筆者の写真: 行政書士 服部祥明
    行政書士 服部祥明
  • 10月21日
  • 読了時間: 3分

更新日:11月21日


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相続が発生すると、遺産分割協議書を作成しなければならないケースがあります。

たとえば、有効な遺言書がある場合や、不動産、有価証券、自動車、船舶等の名義変更が必要となる財産がなく、かつ、相続税の申告が不要であれば、遺産分割協議書を作成する必要はありませんが、それ以外の場合は遺産分割協議書の作成が必要になります。

遺産分割協議書を作成する際に注意しておきたいのは、相続人に未成年者が含まれるケースです。

 

  遺産分割協議書を必要としない場合

(1)相続人が1人しかいない場合

遺産を取得する権利がある人が1人しかいなければ、当然ながら遺産分割協議書は不要です。相続放棄、相続欠格によって、結果的に相続人が1人になった場合も同様です。

(2)遺言書がある場合

法的に有効な遺言書によって、相続人や相続割合が指定されている場合は、あらためて遺産分割協議書を作成する必要はありません。

ただし、相続人全員の合意があれば、遺言と異なる内容で遺産分割をすることも可能です。その場合は、遺産分割協議書が必要になります。

(3)かならずしも遺産分割協議書を必要としない場合

遺産分割協議をおこなう必要はあるものの、遺産分割協議書は必ずしも作成しなくてよいケースがあります。

不動産、有価証券、自動車、船舶など、名義変更が必要な財産がなく、かつ、相続税の申告が不要であれば、相続人間で誰がその遺産を取得するかを決める必要がありますが、かならずしも遺産分割協議書は作成しなくても大丈夫です。

たとえば銀行口座を解約する場合、所定の用紙に相続人全員が記入することによって手続きをすることができます。

遺産分割協議書には、協議で決まったことを書面化することで、後の相続人間のトラブルを予防する効果があります。したがって、かならずしも必要はない場合でも、相続人が複数人いるときは、遺産分割協議書を作成しておいたほうがいいケースも考えられます。

 

  未成年者は遺産分割協議に参加できない

未成年者とは、18歳未満の者を指します。

相続人が18歳未満の場合、遺産分割協議などの法律行為をおこなうための判断能力が不十分であるとされ、遺産分割協議には参加できません。

そのため、未成年者の代理人が必要となります。遺産相続においては、子どもと親が利益相反の関係となるため、両親以外の特別代理人を選定する必要があります。

 

  特別代理人の役割

(1)特別代理人になれる人

その相続に関与しない成人であれば、誰でも特別代理人になれます。特別な資格は不要です。多くの場合は、両親以外の親族に依頼することが一般的です。親族に適任者がいない場合は、友人への依頼も可能です。

親族や友人に適任者がいないとき、または相続人間で遺産分割について争いが生じそうな場合は、弁護士、行政書士、司法書士、税理士などの専門家に依頼することも考えられます。

1人の代理人が複数の未成年者の相続人を兼ねることはできません。したがって、未成年者の相続人が複数いる場合は、それぞれに代理人が必要です。

(2)特別代理人と遺産分割協議

特別代理人は未成年者の代理人として遺産分割協議に参加します。特別代理人選任の申立時には、家庭裁判所に遺産分割協議書案を添付する必要があるので、協議の事前に、遺産分割協議書案を作成します。

遺産分割協議書案には、相続人全員と特別代理人の署名と押印、印鑑証明書を添付します。

(3)遺産分割協議以外の役割と専門家へのサポートの重要性

特別代理人は、遺産分割協議への参加、遺産分割協議書作成のほか、相続登記や預金引き出しなどの相続手続を代理します。

これらの手続きについては特別な知識が必要なので、親族が特別代理人に就任した際には、専門家のサポートを受けたほうがスムーズにすすむと思います。

 
 
 

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