【離婚問題】離婚した父親が子どもの親権をとる条件とは
- 行政書士 服部祥明

- 2025年11月20日
- 読了時間: 4分
更新日:2025年11月21日

未成年の子どもがいる夫婦が離婚する場合、子どもの親権者を決める必要があります。
一般的に、父親が親権者に指定される可能性は低く、統計によると、離婚する夫婦のうち、父親が指定されるのは10%未満にすぎません。
しかし、父親として、「自分が親権者になった方が、子どもが幸せになる」、「親権は諦められない」と思われている方もいると思います。
そこで今回は、父親が親権をとりにくい理由や、親権を獲得するためのポイントについて解説します。
親権・親権者とは
親権とは、未成年者の監護や教育を行い、財産を管理する、権限および義務のことをいいます。
親権には、大きく分けて「身上監護権」と「財産管理権」の2つがあります。
1. 身上監護権
●監護・教育(日常生活の世話や教育を行う)
●居所の指定(子どもの住む場所を決める)
●職業の許可(子どもの職業選択を許可する)
2. 財産管理権
●財産の管理(子どもの財産を管理し、代理する)
父親が親権をとりにくい理由
親権者は、父母のいずれを親権者にすれば、子どもが健全に成長できるか、子どもにとってふさわしいかという視点によって決められますが、以下の視点において、父親が不利になるケースが多くなります。
(1)仕事の関係で子どもの世話が難しい
最近は共働き夫婦も増えていますが、大黒柱として父親がメインで働いている家庭が多いと思います。
したがって、離婚後も子どもを養育しながら父親がフルタイムで働くというのは、現実的に難しいのではないでしょうか。
(2)幼い子どもは母親依存度が高い
乳幼児については、特段の事情がない限り、母の監護養育に委ねることが子どもの福祉に合致するという考え方があります。
乳幼児には、スキンシップを含めて母の愛情が必要であるということがその根拠にあります。
父親が親権を獲得するためのポイント
父親が親権をとりにくい理由を理解すれば、おのずと父親が親権者を獲得するためのポイントも理解できると思います。
(1)子育てのために十分な時間を確保すること
子どものために早朝から深夜まで勤務して生活費を稼いだとしても、子どもと触れ合える時間がなければ、親権者として適格であると判断してもらえません。
したがって、離婚後、残業や休日出勤を控えて、子どもとの時間を確保する、不在時は祖父母に子の面倒をみてもらうなど、子育ての時間を確保する体制をつくることがポイントになるでしょう。
(2)離婚前の育児に対する姿勢
母親というだけで親権者として有利なわけではなく、これまで夫婦のどちらが子どもの監護養育を主に行っていたのかが重視されます。
母親が子どもの世話をほとんどしておらず、父親がメインで監護養育をしている状況であれば、父親が親権を取得できる可能性もあります。
(3)母親が育児放棄や虐待をしている
母親が育児放棄をしている場合は、父親が親権の争いで有利になります。
裁判所では、そもそも育児放棄と評価できるかが争点になることが多いため、母親が育児放棄をしている物的証拠をとっておいくことが重要です。
母親が子どもを虐待している場合も、父親が有利になります。
育児放棄と同様、裁判所では、虐待であると評価できるかどうかが争点となるため、虐待しているところを撮影した写真や動画などの証拠を集めておく必要があります。
(4)子どもが父親と暮らすことを望んでいる
子どもが自らの意思を表明できる場合は、それを尊重することは当然のことです。
子どもが父親と暮らすことを望んでいるケースは、父親が親権の争いで有利になる可能性が高まります。
なお、裁判所は、親権者の指定に際して、子どもの年齢が15歳以上の場合は、陳述を聴取しなければなりません。
15歳未満の場合でも、発達の程度に応じて、その意思を尊重することが求められています。
親権に関するそのほかの注目ポイント
(1)妻の不貞は父親の親権獲得に有利にならない
妻が不貞したとしても、子どもの監護養育能力が否定されるわけではありません。
不貞の問題は、慰謝料で解決すべき問題であり、親権者は、あくまで子の利益及び福祉の観点から判断されます。
ただし、不貞相手と過ごすために、長時間家を空け、子どもの監護をしていないなどの特別な事情があれば、父親の親権獲得に有利な事情になります。
(2)親権を得られなくても子どもには会える
父親が親権を得ることができなくても、子どもに面会交流することができます。
子どもの利益や福祉にとって、父親との交流を持つことは非常に重要です。離婚をしても、子どもにとって父親と母親という事実は変わりません。離婚後の子どもとの関係性において、そのことは理解しておきましょう。





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